韓国興行収入第1位の「暗数殺人」を映画館で観た。
ソーシャルディスタンスを守りながらも、劇場はほぼ満席。SNSの口コミでは、連日高評価なコメントが並んでいる。
今回は、あらすじとキャストのほか、実際に「暗数殺人」を鑑賞して感じた、感想や考察をお届けする。
コロナ渦の映画館を満席にする話題の韓国映画を徹底レビュー!
※当記事はネタバレを含みます。
暗数殺人のあらすじとキャスト
暗数殺人は、2018年に公開されたキム・テギュン監督の韓国映画。
日本で公開すると同時に、「梨泰院クラス」のチュ・ジフンの狂気の演技が話題となった。
名優たちの演技はもちろん、細かな心理戦をスリリングに描いたストーリーから目が離せない。
ここでは、あらすじとキャストを紹介する。
あらすじ
キム・ヒョンミン刑事(キム・ユンソク)は、恋人を殺害して逮捕されたカン・テオ(チュ・ジフン)から「他に7人殺した」と衝撃の告白を受ける。
テオは殺人の内容を具体的に暗記しており、ヒョンミンは直感的にテオの告白が真実だと見抜いた。
警察上層部の反対を押し切り捜査を進めていると、テオが自白した場所から白骨死体が発見される。
しかしテオは「死体を運んだだけ」と供述を翻してしまう。
テオの目的は何なのか?
知能指数の高いテオの言葉に翻弄されながらも、ヒョンミンは真実に近づいてゆく…!
キャスト
映画「暗数殺人」はNetflixのオリジナルドラマ「梨泰院クラス」で、パク・セロイ役を演じたチュ・ジフンが登場。
狂気の演技がヤバイとSNSでじわじわ噂になっています。
韓国映画「チェイサー」などの作品で知られるキム・ユンソクにも注目です。
キム・ヒョンミン (キム・ユンソク)
元麻薬捜査官。
麻薬の捜査でカン・テオと出会い、「他に7人殺した」と独白をされる。
冷静沈着で粘り強い捜査が得意。
カン・テオ (チュ・ジフン)
高いIQを持つ殺人鬼。
小さな理由で簡単に人を殺めてしまうサイコパス。
巧みな話術と抜群の暗記力で、ヒョンミンを巧みに翻弄する。
チョ刑事役(チン・ソンギュ)
自分のキャリアをかえりみず、ヒョンミンの捜査に協力した若手刑事。
愛嬌があり、人懐っこい性格。ヒョンミンと力を合わせてテオを追い詰めていく。
「梨泰院クラス」ファンも背筋が凍る?チュ・ジフンの狂気の演技が話題
「暗数殺人」見てきた。すげぇよ……マジで凄い。実話を元にしてる映画って感想も楽しみ方も慎重にならなければいけないと思ってるけど、ちゃんと被害者に焦点が当たってた。そしてチュジフン…あのイカれっぷりから、確信に触れられた時の微妙な顔のひきつりといい、さすがとしか言いようがない。 pic.twitter.com/Nud9wskZKp
— つらら (@tsurara159) April 3, 2020
本当に素晴らしいんです暗数殺人のチュジフンは……。 pic.twitter.com/Xd0TpBilBZ
— 大類 (@orui04) April 2, 2020
「暗数殺人」の感想と考察
久しぶりに映画館で映画を観たが、「暗数殺人」が最初で本当によかった…!
今でもテオの白目の演技やドロっとした視線が頭から離れない。
ここでは、映画を観て感じた感想と考察を紹介する。
「暗数殺人」の“暗数”とは?
暗数とは、「警察が把握している事件の数と、何らかの原因で警察が把握していない事件の差」のことを指す。
刑事のヒョンミンは、テオが自白した「別の7人の殺人=暗数殺人」の捜査を開始した。
物語では、テオにタクシーで無残に轢き殺された少女が登場。
ヒョンミンはこの事実を知り、自分のキャリアを捨てても事件を捜査し続けることを決心した。
念仏に閻魔大王?知能指数の高さを「仏教」で表現
異常な記憶力と狂気を持つテオ。
拘置所のシーンではヒョンミンの揺さぶりを受け、イライラと念仏を唱えるシーンがあった。
テオの記憶力の良さを「念仏を丸暗記し唱えさせる」ことで見事に表現している。
他にも死者の生前の罪を暴く神「閻魔大王」を殴り書きするシーンなどもあり、テオの狂気を不気味に描き切った。
『暗数殺人』
やっと観ることができた。
実話がベースなので表現としては抑えられていて、もっとサイコパス全開なチェ・ジフンが観たかった。
(いや充分狂ってるけど)
内容自体が好きなので映画としての起伏がなくても楽したけど、
過去エピソードへの流れが不自然で違和感を感じてしまった。 pic.twitter.com/tQbmW4E6XX— ちろりん (@chirojean_5) June 10, 2020
劇中では日本語で「ありがとう」とヒョンミンに皮肉を言うシーンもある。
映画が上映禁止処分に…「暗数殺人」は実話がモチーフ
暗数殺人は、釜山で実際に起こった事件をモチーフに制作された作品だ。
しかし、「遺族に同意を得る過程で不十分な点があった」として上映禁止処分を受けてしまう。
しかし、被害者遺族の息子と名乗る人物がSNSに「世の中に出るべき映画だ」と投稿。
韓国では10月に公開され、興行収入第1位を獲得した。
まとめ
実話で無期懲役となった犯人は、刑務所内で死亡。
だが、今も担当刑事は捜査を続けているのだそうだ。
なぜヒョンミンは捜査にこだわったのか?
実は、ヒョンミンは妻をひき逃げで亡くしている。しかし、劇中ではあまり触れられることはなかった。
- 「今も担当刑事は捜査を続けていること」
- 「妻をひき逃げで亡くしたこと」
- 「轢き殺された少女の存在」
この3つを繋ぐと、もしかしたら「ヒョンミンの妻をひき逃げしたのはテオだったのではないか…?」と考察できる。
ラストシーンでは、ヒョンミンが轢き殺された少女を回想するシーンで幕を閉じている。
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