カンヌ国際映画祭 のパルムドール(最高賞)を受賞した、大ヒット公開中の映画『パラサイト 半地下の家族』。
そんな何残る映画を一度見たあなたにも、「なるほど」と思わせるような考察を用意しましたので、ぜひご覧ください。
『パラサイト』
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パラサイトのあらすじと考察
無職、無一文、何よりも希望のない無気力な夫ギテクと、それに劣らず意欲のない家族。
それを支えてくれる妻チョンスク、皮肉な娘キジョンと大学生の息子キウは「汚い半地下」で働いていた。
そんなある時息子キウは、裕福な朴氏一家の娘に「英語の家庭教師」を装うことを奮起する。
今や、絶え間ない勝者総取りの階級闘争の舞台が整った。どのように寄生虫(パラサイト)が駆除されていくのか…
パラサイトの『真』の意味
映画のタイトルでもある『パラサイト』は、どんな意味なのだろうか・・・
これは、誰もがわかる通り「パラサイト=寄生するもの」を表す。つまりここでは、裕福な家庭に住みつく、半地下の家族となる。
しかし、パラサイトの英訳を調べるとこう出てくる。
”a person who habitually relies on or exploits others and gives notting in return.”
「習慣的に誰かを頼ったり、摂取するがお返しに何も与えない人」となる。
例文としては以下のものが挙げられている。
“the capitalist is really a parasite on the workers”
「資本主義者は労働者のパラサイトだ」
つまり、これが表すのは実はパラサイトなのは、富裕な人間であり、労働者を摂取しているということである。
考えてみれば、「運転もできない父」に「料理ができない母」「大人しく絵を描くこともできない息子」に「1人では勉強できない娘」とこの富裕な家族は「半地下の家族」に頼りっきりなのである。
それでも半地下の家族は半地下から出られずに、「見返り」もない。
別の例としては、ピザの店長が半地下の家族が摂取していただことが挙げられる。
つまり、資本主義者というのは労働者なしでは生きていきない「パラサイト」なのだというのが、本タイトルのメッセージである。
寄生虫(パラサイト)の駆除のイメージ
映画の中では、常に寄生虫(パラサイト)の駆除が描かれる。
まずはじめに、半地下の家族は消毒をしている人を見て、「うちも消毒してもらおう。便所コオロギを駆除したい」と父が提案する。
ここにコオロギという家に住みつくパラサイトを駆除するイメージがある。
彼らはパラサイト(コオロギ)のことなど気にしていない。
皮肉にも、これを想起させるのは洪水のシーンだ。
雨の日に、害虫駆除の日と同じく「窓を開けていた」ことにより自宅が浸水するシーンでは、自宅を追い出されたのは「半地下の家族」である。
彼らは、自分たちが追い出した便所コオロギのように家を追い出され、富裕層はそれを気にせず呑気にパーティーをする。
まるで害虫駆除のように、貧困層たちが住宅から追い出されるも、全く気にかけないことのない富裕層という「半地下の家族」と「便所コオロギ」に見られたものが、「富裕層の家族」と「半地下の家族」にすり替わっている。
パラサイトのポスター分析
パラサイトの上記ポスターもよく見てみると面白い。
服装の違いと、お母さんの足のゴキブリ
一番気付きやすい見た目による階級の差を表している。
貧乏な家族は全員裸足で、母の足にはゴキブリがいる。ゴキブリも人間の家にパラサイトすることから重ねられている。
倒れている家政婦
家政婦と思われる人が倒れているが、よくみると裸足であることがわかり、ここから家政婦 =地下の住人であることが示されている。
子供の描いた絵
左上にあるダソンが描いた絵は、お化けを見てから描いたものであり、まさにそのお化けがもたらすものを予言している。
晴れた日のインディアンの格好はパーティーと重なり、右下にある黒いものは凶器の象徴的な石と重なる。
この絵が象徴的と言われてたのもそれが理由の一つである。