2021年10月22日に公開の映画「ひらいて」についての解説です。
本作は、原作小説の綿矢りさの「ひらいて」を基にしています。
主演を務めるのは、売れっ子女優の山田杏奈、そして今回が初映画となる作間龍斗が務めています。
監督の首藤凛が作間龍斗をキャスティングのきっかけは何だったのでしょうか?
また映画のあらすじ、キャストを調査してみました。
『ひらいて』あらすじ
成績優秀で明るく友達も多く、教師からの評判の良い愛は密かにクラスメイトのたとえに片思いをしていました。
たとえと少しでも会話をするために、わざと階段からゴミ箱を落としたり、分からないと言って勉強を教えて貰ったりしていました。
そんなある日、たとえが教室で読んでいる手紙を見つけます。
友達らがテストの解答を探しに夜に学校へ忍び込むことを知り自らも学校へ忍び込みます。
そこで、たとえのロッカールームから手紙を見つけました。
手紙の相手が密かに付き合っている彼女からだったのです。
驚いた愛は、彼女が他のクラスの美雪であることを知り近付きます。
美雪は糖尿病で体が弱く体育のダンスの時間に倒れたことがありました。それを愛が助けたことがありました。
愛は、美雪に近付き連絡先を交換して、カラオケや美雪に自宅へと遊びに行くようになりました。
美雪から中学から付き合っているが「たとえ君は何もしてこない」と知り、大切にされていると思い嫉妬から爆発してしまいそうになります。
愛は、誰も想像しないかたちで美雪とたとえに近付いていったのです。果たして、危険な三角関係はどのようになるのでしょうか。
『ひらいて』原作小説は?
『ひらいて』綿矢りさ
高校時代に経験した失恋と衝動的で暴力的で一方的な愛情、性欲、将来への焦り、繰り返される絶望的なあの朝、全てがフラッシュバックして逃げ出したくなる、そんな小説。繊細で美麗な情景描写と巧みな比喩表現に心落ち着かせられるのがこの作品の唯一の救いである。 pic.twitter.com/35kidpzZ4q— 蔵書印/読書account📚 (@zousyoin) November 13, 2021
原作は、2012年に出版された綿矢りさの「ひらいて」が基になっています。
主人公の愛に関して、綿矢りさは「本当は誰しもこれぐらいしたいけど、できない。それをしてしまうスピード感とした後の責任の取り方がかっこいい」と魅力を語っています。
愛の一番底にある重要な部分を主人公を演じた山田杏奈は体現していたと絶賛していました。
原作では、愛の視点が多いのでその他のキャラクターの背景や内面までは謎に包まれていたが、映像として俯瞰することで愛以外のキャラクターを掘り下げていました。
愛以外の舞台背景が良く描かれていたと言っています。
原作者の綿矢りさの考えていなかった細かな設定まで補足されたことでさらに作品の仕上がりが完璧になったのですね。
『ひらいて』の監督・キャスト
映画『ひらいて』の監督・キャストについてみていきましょう。
監督・脚本:首藤凜
監督は首藤凛が務めています。
2016年にぴあフィルムフェスティバルで「また一緒に寝ようね」で入選して審査特別賞と映画ファン賞を受賞しました。
翌年には、「なっちゃんはまだ新宿」で「MOOSIC LAB2017」にて準グランプリを受賞しました。
最近では2021年の「欲しがり奈々ちゃん ~ひとくち、ちょうだい~」に脚本を手がけています。
木村愛役 山田杏奈
愛を演じるのは、女優の山田杏奈です。
2011年に「ちゃおガール☆2011オーディション」でグランプリを受賞して芸能界入りをします。
2013年に放送の「刑事のまなざし」で女優デビューをしました。
その後、2015年の映画「12歳。」で主演を務めて注目を集めました。
ブレイクのきっかけは、2018年に公開の「ミスミソウ」に出演をしたことでした。
代表作としては、2019年に公開の「21世紀の女の子」や2020年に公開の「ジオラマボーイ・パノラマガール」などを挙げることができます。
西村たとえ役 作間龍斗
たとえを演じるのは、ジャニーズJr.グループ「HiHi Jets」のメンバーの作間龍斗です。
2018年にジャニーズJr.グループの「HiHi Jets」メンバーとして芸能界入りをします。
俳優としては2019年に放送の「恋の病と野郎組」で俳優デビューをしました。
今作でスクリーンデビューをしています。
最近では2021年に放送の「DIVE!!」で井上瑞稀・髙橋優斗と共にトリプル主演を務めています。
新藤美雪役 芋生悠
美雪を演じるのは、女優の芋生悠です。
2015年に放送の「禁断のホラーミステリー 怪異TV」で女優デビューをしました。
翌年には「バレンタインナイトメア」でスクリーンデビューをします。
2016年には「爛れ」で初主演を務めました。
代表作としては、2017年に公開の「アオとシオリ」や2019年に公開の「左様なら」などを挙げることができます。
竹内ミカ役 鈴木美羽
ミカを演じるのは、女優の鈴木美羽です。
2012年に「第16回 ニコラモデルオーディション」でグランプリに選出されニコラの専属モデルとして芸能界入りをします。
2017年にニコラを卒業しています。
女優としては2015年に放送の「黒崎くんの言いなりになんてならない」で女優デビューをしました。
翌年には映画「黒崎くんの言いなりになんてならない」でスクリーンデビューをします。
2018年には配信ドラマ「とけないで、サマー」で主演を務めました。
多田健役 田中偉登
健を演じるのは、俳優の田中偉登です。
2012年にドラマ「13歳のハローワーク」で俳優デビューをしました。
同年に映画「宇宙兄弟」でスクリーンデビューをします。
代表作としては、2017年に放送の「無用庵隠居修行」や2020年に放送の「連続テレビ小説「エール」」などを挙げることができます。
『ひらいて』の注目ポイント
映画『ひらいて』の注目ポイントやネット上の感想をみていきましょう。
作間龍斗の役どころ・キャスティングのきっかけは?
西村たとえという人物は、美雪と中学校から付き合っているのに手を握りだけで関係を持とうとしない。
それは、愛は「大切に思っているから」だと思って嫉妬していたが、実はたとえは美雪を「怖がっていた」とそうです。
たとえという人物について、ただの陰キャのイケメンキャラ設定なのかと思っていると、ラストに掛けてギアを上げて愛に対して強く意見を言うところなど、強さを感じます。
キャスティングでは、主人公の愛が「私だけが見つけた」と思えるようなキャラクター名を探していたそうです。
きっかけは、2019年に放送の「三井不動産リアルティ 三井のリハウス」のCMを観たことだったそうです。
作間龍斗の第一印象は「少し異質だな」と感じたとか。
現場でも長い手足を持てあましているようで立ち尽くしていたと言います。
常に下を見ているのに、強いことをはっきりと言える強度。
この強度が、愛・美雪のバランスに合っていると言えますね!
役者にも知らない裏設定があった!
実は、監督の首藤凛だけが思い描いた裏設定があったのです。
それは愛と美雪とたとえでラブホテルに行くシーンがあるのですが、実は「三人で関係を持った」という設定だったのです!
裏設定にしたのは、愛視点だったからだとか。
ラストに掛けてたとえから愛へ歩み寄りがあったのは、三人の関係があったことを裏付けているのですね。
学生時代の独占欲的恋愛を思い起こさせる作品
思春期の不安定で独占欲的な恋愛を思い起こさせる作品と言えます。
原作では、文化祭の作品は「オードリーヘップバーン肖像画」でした。
折り鶴の表現が原作に多かったことから、映像化したいと思ったそうです。
折り鶴は、折っていくと打ちに打ちに秘めていく感じが主人公の愛に似ていると思い良いと思ったと明かしていました。
卒業や思いの象徴として木の模型になったとか。
愛は、誰とでも仲良くできる反面「自分がない、全部うそっぽい」とたとえに言われてしまいます。
さらに、美雪にも誤っても「思ってもいないくせに」と言われます。
それは、誰しもが通るアイデンティティを求める道なのだと感じました。「自分とは何か」「好きな人に振り向いてもらうにはそうすればいいのか?」愛は、ただストレート過ぎる人なんだなと思います。
ネット上の感想
#ひらいて
思春期の好きってあんなにも人を狂わせるものなんだな…
キラキラがどんどん歪んで濁っていく様が🌸とのコントラストで良かった
ヘアアイロンのシーンが活きてる
愛ちゃん。体張りますね。。
ああいうラストの映画久々かも#芋生悠 の透明感と #山田杏奈 の自我覚醒と #作間龍斗 の存在感 pic.twitter.com/k6qKKlMzQe— とらすと (@_trust011) November 21, 2021
ラストの数シーンは、映画のオリジナル。首藤凜監督なりの解釈で、原作に対する愛のあるアンサーと捉えました。#ひらいて pic.twitter.com/sNEoMprVeh
— にじまる (@niji_maru) October 22, 2021
まとめ
2021年10月22日に公開の映画「ひらいて」のあらすじ、キャストについて調査してみました。
原作小説は、2012年に出版された綿矢りさの「ひらいて」を基にしています。
主演を務めるのは、売れっ子女優の山田杏奈、そして今回が初映画となる作間龍斗です。
監督の首藤凛が作間龍斗を起用したきっかけは、2019年に放送の「三井不動産リアルティ 三井のリハウス」のCMを観たことだったそうです。
作間龍斗の独特の異質感が、イケメンなのに長い手足を持てあましているようで立ち尽くすたとえのキャラクター像にぴったりだったと言います。
主人公の愛がたとえを好きなあまり、暴走してしまう姿は誰しもが思春期に体験したことがある独占欲的恋愛を思い起こさせる作品だと言えます。