2020年9月4日に公開された映画『人数の町』についての解説です。
本作は、主演を中村倫也が演じている話題作です。
新感覚のディストピア・ミステリーのあらすじ、キャスト、ネット上の感想について調査してみました。
『人数の町』あらすじ
借金取りに殴られ倒れていた蒼山哲也は、ポールと名乗る黄色いツナギを着た謎の男に声を掛けられます。
「居場所がいるか?」と言われたポールに、蒼山は頷き言われるままにバスへ乗り込みました。
バスには蒼山と同じように社会から孤立した男女がいます。
ある建物に着くと、首に何かの注射をされました。
そして、「自由と友愛の印」であるパーカーを渡されます。
この建物では、居場所がない者のことを「デュード」と呼び、奇妙な町へと案内されたのです。
町を管理するのは「チューター」と呼ばれる者たちです。
デュードは、簡単な労働と引き換えに衣食住が保証をされています。
また、デュード同士は「ハイ、フェロー」と挨拶を交わした後にお互いを褒め合えばあとは何をしても問題ありません。
町では、社会的なしがらみも不安もなく、自由と平等の世界でした。
蒼山は、最初は部屋にこもり切りでしたが、しばらくすると他のデュードたちと気ままな生活を楽しむようになります。
そんなある日、新しい住人である木村紅子が町にきます。
紅子は妹を探してこの町にきたといいます。
そして、紅子と関わるに連れてこの町の奇妙さに次第に違和感を覚え始める蒼山。
そして、二人で逃亡を図ろうとしますが…
果たして、この町の目的とは何なのでしょうか?
『人数の町』のキャスト・監督
映画『人数の町』の監督・キャストについてみていきましょう。
監督・脚本:荒木伸二
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監督、脚本を務めるのは、荒木伸二です。
東京大学教養学部表象文化論科を卒業後に、CMプランナー、クリエイティブディレクターとして活躍をします。
2017年に第1回木下グループ新人監督賞で応募総数241編の中から準グランプリを受賞しました。それが『人数の町』なのです。
ちなみに本作が50歳になって初の長編監督作品です。
本作は、2020年度の「新藤兼人賞」の最終選考作品に選出されました。また、日本だけではなくモスクワ国際映画祭、バンクーバー国際映画祭でも上映されたのです。
蒼山哲也役 中村倫也
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借金取りに追われ人生に絶望をしていたときにポールに助けられます。
ポールに誘導されるまま「町」の住人となりました。最初は、町の自由な環境に満足をしていましたが、紅子に出会ったことで次第に町に違和感を抱くようになります。
蒼山を演じるのは、俳優の中村倫也です。
2005年に公開された映画「七人の弔」で俳優デビューをします。
2018年に放送されたNHKドラマ「半分、青い。」で一躍有名になりました。
同年のYahoo!検索大賞俳優部門受賞を受賞し、女子高校が選ぶ好きな俳優ランキングで1位に輝きます。
代表作としては、2018年に放送されたドラマ「ホリデイラブ」や2020年に放送されたドラマ「美食探偵 明智五郎」、映画「水曜日が消えた」などを挙げることができます。
木村紅子役 石橋静河
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妹を探して町にきた木村紅子を演じるのは、女優の石橋静河です。
2015年から芸能界入りを果たし、舞台「銀河鉄道の夜 2015」で女優デビューをしました。
2017年に公開された映画「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」で主演を演じて一躍有名になります。
その後、2018年に放送されたNHKドラマ「半分、青い。」でテレビドラマ初出演を果たします。
姉はシンガーソングライターの優河で、父親は俳優の石橋凌、母親は女優の原田美枝子とサラブレッドと言えます。
末永緑役 立花恵理
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末永緑を演じるのは、モデルで女優の立花恵理です。
2013年に「ViVi30周年記念専属モデルオーディション」に出場しグランプリを獲得して芸能界入りをします。
ファッション誌「ViVi」の専属モデルとして活躍をします。
2019年に放送されたドラマ「ニッポンノワール-刑事Yの反乱-」で女優デビューをしました。
また同年に放送されたドラマ「リカ」にも出演をしています。
本作が初のスクリーンデビュー作品です。
ポール役 山中聡
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謎のチューターであるポールを演じるのは、俳優の山中聡です。
1996年に放送されたドラマ「新・女弁護士 朝吹里矢子」で俳優デビューをします。
その後、人気大河ドラマ「元禄繚乱」や「青天を衝け」に出演をします。
2011年に放送されたドラマ「鈴木先生」で注目を注目を集めました。
代表作としては、2005年に公開された映画「運命じゃない人」を挙げることができます。
『人数の町』の注目ポイント
映画『人数の町』の注目ポイントやネット上の感想についてみていきましょう。
本当の自由とは、不自由と紙一重
映画『人数の町』は新感覚ディストピア・ミステリーとして映画ファンから話題を呼んでいます。
社会から孤立した若者たちが、「町」の住人となり労働の対価として自由と平等を得るという話です。
労働では、別人に変わって投票をしたり、抗議のデモに参加したり、SNSで炎上させたりなど、本当にありそうなことばかりです。
それが自分の考えではなく「自分の決定権を放棄」した状態だと言えます。
本当の自由とは不自由との紙一重だと感じました。
社会では、どこかに不自由があるからこそ幸せの瞬間や自由に感じる瞬間があるのだと思います。
「何でも自由」というのは、ある意味で一番の不自由だと言えるかもしれませんね。
ネット上の感想
ネット上の感想についてみていきましょう。
「人数の町」
その地獄は、自由すぎた…誰もが"人数"になる恐怖は語られるが、この映画は生きながらにして何も知らない僕らに正解を教えるものじゃない。余りに独創的で追いつけないのもこの町で、しかし核心に迫らない描写だからこそ観客には予知と選択の自由があった。凄いものが観られましたよ… pic.twitter.com/KKjM2vs3Gn
— 8637 (@H9ido) January 11, 2021
以前フォロワーさんもちょっと呟いていたけど、愛知のリコール署名偽造問題ってリアル「人数の町」だよなー。黙示録的映画。 pic.twitter.com/FhdcAhl1Mg
— チェキロ (@check_row) February 16, 2021
現代社会の闇をリアルに描写しているシーンもあり、ネット上では高評価を得ていました。
まとめ
2020年9月4日に公開された映画『人数の町』のあらすじ、キャストについて調査してみました。
本作は、2017年に第1回木下グループ新人監督賞で準グランプリを受賞した荒木伸二の作品です。
50歳になって初の監督デビューをしています。
主演を演じるのは、人気俳優の中村倫也です。
社会から孤立した若者たちが、「町」の住人となり労働の対価として自由と平等を得るというストーリーで、本当の自由とは何なのかを考えさせられる映画です。