「初恋」は、2020年の2月に公開された三池崇史監督、窪田正孝主演のラブストーリー。三池監督の完全オリジナル作品として、映画ファンの話題となった。
今回は、「初恋」のあらすじとキャストを紹介し、実際に映画を観た筆者が考察する。
「初恋」のあらすじとキャスト
三池崇史監督の初のオリジナル作品として話題になった「初恋」。第72回カンヌ国際映画祭2019にも選出され、大きな話題となった映画だ。
今回は、あらすじとキャストはもちろん、初恋についての考察やSNSに寄せられた感想を紹介する。
初恋のあらすじ
天涯孤独のプロボクサー葛城レオ(窪田正孝)は、医者から余命宣告を受けてしまう。放心状態で歌舞伎町を歩いていると、薬漬けの風俗嬢モニカ(小西桜子)が悪徳刑事の大判(大森南朋)に追いかけられていた。いつもは素通りしていたはずの葛城だが、うっかりモニカを助けてしまう。
その一方、刑務所から出所したばかりの権藤(内野聖陽)はチャイニーズマフィアと一触即発の危機に陥っていた。それに目をつけた加瀬(染谷将太)は、刑事の大判と組みブツを奪って抗争を起こそうと企む。
しかし、加瀬はブツを保管していたチンピラを殺してしまい、モニカを逃してしまう。チンピラの彼女ジュリ(ベッキー)は怒り狂い、逃げたモニカと加瀬を追いかける。
葛城とモニカが逃走の末逃げ込んだのは、ありとあらゆる武器が揃うホームセンター。ここにすべての登場人物が集まりクライマックスを迎える……。
初恋のキャスト
窪田正孝(葛城レオ)
天涯孤独な天才プロボクサー。しかし、ある日余命を宣告されてしまう。同じく孤独な謎の女性モニカと出会い、冷めきっていた心が変化してゆく。
小西桜子(モニカ)
父親の借金のカタにヤクザに身売りされてしまった女性。薬漬けにされながら、体を売って生活している。葛城に助けられ、人生が変わってゆく。
染谷将太(加瀬)
自分の頭脳で組を上手に渡り歩いている男。刑事の大伴と組み、組のヤクを横流しして組織を壊滅させようと目論む。
大森南朋(大伴)
裏で犯罪者と手を組む悪徳刑事。ヤクザの加瀬と手を組んで資金を奪おう計画に乗る。警察手帳を奪われ、葛城とモニカを追いかける。
ベッキー(ジュリ)
ヤクザの構成員だった最愛の恋人を殺され、復讐に燃える女。ピュアな性格だが非常にキレやすい。
内野聖陽(権藤)
刑務所から出社したばかりのヤクザ。喧嘩っ早くチャイニーズマフィアなど敵が多い。日本刀を片手に抗争に挑む。
村上淳(市川)
情に熱いタイプの古風なヤクザ。曲がった事が大嫌いで権藤を慕っている。
「初恋」の考察
ここでは、初恋を劇場でみた感想とともに、映画について解説をしていく。
三池崇史監督のオリジナルストーリー
三池崇史監督は、「クローズ」「悪の教典」など数々のヒット作を生み出してきた日本を代表する映画監督だ。
そこでこの予告を見てほしい。
三池監督は、漫画や小説をベースに作られた作品で地位を確立。しかし、その多くが商業目線で作られており、「売れる映画」をひたすら作り続けてきた結果とも言える。
予告の「さらばバイオレンス」という言葉から、今までのスタイルと決別する三池監督の気合いを感じる。
完全オリジナル・初のラブストーリーである初恋は、三池監督が「本当に作りたかった映画」なのかもしれない。
ベッキーの「狂気の演技」が話題に
『初恋』のベッキー、もはや人間以上。 pic.twitter.com/KQcp1J062K
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 1, 2020
『初恋』のベッキーは、静の狂人顔と動の狂人顔の両方を完璧に会得してたから本当に凄いですよ。 pic.twitter.com/NThhnwzMgF
— 人間食べ食べカエル (@TABECHAUYO) March 1, 2020
窪田正孝主演は10年前に決まっていた?
主演の窪田正孝は、三池崇史が監督を務めたテレビドラマ「ケータイ捜査官7」で共演を果たしていた。
この時、三池監督は「10年後に窪田を選んだ理由がわかる」と発言。
三池監督は日本を代表する映画監督となり、デビュー2年目だった窪田は人気俳優へと成長した。
10年前に窪田の起用が決まっていたのだとしたら、「初恋」は長い間三池監督が温め続けていた作品だったのかもしれない。