2023年2月10日に公開の映画『バビロン』についての解説です。
映画『ラ・ラ・ランド』で最年少で監督賞を受賞したデイミアン・チャゼル監督の最新作です。
世界中が期待をしていましたが公開と同時に賛否両論が挙がっていました。
果たして映画『バビロン』は観るべきなのでしょうか?
賛否両論の理由とあらすじ、キャストをネタバレありで調査してみました。
『バビロン』あらすじ
舞台は1920年。
サイレント映画の大スターのジャックは映画界で毎晩開かれる豪華絢爛なパーティーの主役でした。
そこで新人女優のネリーと映画制作で成功を目指す野心家の青年マニーが出会います。
ネリーは類まれな才能と美貌でサイレント映画のトップ女優として駆け上がっていきます。
一方、マニーもジャックの助手として映画界へ踏み込んでいきます。
華やかだった映画界の時代はサイレントからトーキーへ移り替わっていきます。
トーキーへ変わっていく最中で3人も時代の流れに巻き込まれて行くのでした。
『バビロン』の監督・キャスト
映画『バビロン』の監督やキャストについて紹介します。
監督・脚本:デイミアン・チャゼル
監督・脚本を務めたのはデイミアン・チャゼルです。
2009年に映画『Guy and Madeline on a Park Bench』で監督デビューをしました。
その後、2016年に公開の『ラ・ラ・ランド』で史上最多の14ノミネート、当時32歳という若さで監督賞を受賞しました。
代表作として、2014年に公開の『セッション』や2018年に公開の『ファースト・マン』などがあります。
ジャック・コンラッド役 ブラッド・ピット
ジャックを演じるのは、俳優のブラッド・ピットです。
1987年に公開の『追いつめられて』で俳優デビューをしました。
その後、1988年に公開の『リック』で初主演を務めました。
ブレイクのきっかけは、1992年に公開の『リバー・ランズ・スルー・イット』に出演をしたことでした。
代表作としては、2011年に公開の『マネーボール』や2013年に公開の『それでも夜は明ける』や2019年に公開の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』などがあります。
ネリー・ラロイ役 マーゴット・ロビー
ネリーを演じるのは、女優のマーゴット・ロビーです。
芸能界には2007頃から入り、2008年に公開された映画『ダークネス・ビギンズ』で女優デビューをしました。
その後、2011年に放送されたドラマ『PAN AM/パンナム』や2013年に公開された映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でレオナルドディカプリオの妻を演じ大ブレイクを果たしました。
その美貌からディカプリオの恋人とも噂されたり、オーランドブルームとの熱愛報道がされるなど、ハリウッドでも熱愛報道が多い女優と言えます。
2020年には再びヴィラン『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』を演じて話題を呼びましたね。
マニー(マヌエル)・トレス役 ディエゴ・カルバ
マニーを演じるのは、俳優のディエゴ・カルバです。
2013年に短編映画で俳優デビューをしました。
その後、2015年に公開の『I Promise You Anarchy』で主演を務めて注目を集めます。
代表作として2021年に放送の『ナルコス:メキシコ』などがあります。
シドニー・パーマー役 ジョヴァン・アデポ
シドニーを演じるのは、俳優のジョヴァン・アデポです。
2015年に放送の『LEFTOVERS/残された世界』で俳優デビューをしました。
その後、2016年に公開の『フェンス』で注目を集めました。
代表作として2017年に公開の『マザー!』や2018年に公開の『オーヴァーロード』などがあります。
エリノア・セント・ジョン役 ジーン・スマート
エリノアを演じるのは、女優のジーン・スマートです。
1975年に芸能界入りをします。
1986年に放送の『浮気なおしゃれミディ』でブレイクを果たしました。
その後、2006年に放送の『24 -TWENTY FOUR-』や2007年に放送の『サマンサ Who?』でメインキャストとして出演をしました。
代表作として2002年に公開の『メラニーは行く!』や2017年に放送の『レギオン』などがあります。
『バビロン』の注目ポイント・評価
マーゴット・ロビーの演技
映画『バビロン』はマーゴット・ロビーの演技が最大の魅力といえます。
無名の新人女優だったネリーがサイレント映画のトップ女優に駆け上がっていく姿は観ていてワクワクしますし、爽快感を感じます。
特に鳥肌が立つシーンは、ネリーが撮影時に監督の指示のもと好きなタイミングで涙を流すシーンです。
誰でもが涙を流す塗り薬を塗るなかで、ネリーだけが「アクション」という音だけで一筋の涙を流します。
スタッフ全員がネリーの演技に引き込まれ、息を呑むのです。
実際にマーゴット・ロビーは体当たりでネリーを演じており、マーゴット・ロビーが演じるネリーだけでもこの映画を観る価値はあると思います。
『バビロン』賛否両論の理由
酒池肉林のオープニング
映画冒頭からド派手なパーティーが映し出されます。
そのパーティーはまさに酒池肉林。
像の汚物を浴び、嘔吐、セックス、ドラッグ、乱交…
観ているこちら側が眉をひそめてしまいます。
豪華絢爛なパーティーは1920年代の黄金時代を象徴しているのですが、思った以上に長く観ていて疲れてしまいます。
さらに、周りが裸で踊っているのにマーゴット・ロビー演じるネリーは、ドレスを着ており明らかに階層を感じてしまいます。
何でもありのパーティーを演出したいのなら、出演者全員が裸になるなどの気合いが必要だと思いました。
サイレント映画を誇張表現しすぎ
コメディのためにサイレント映画の撮影現場をただ単に技術が遅れているとデフォルトした演出が多いです。
例えば、マイクはスタジオ全体の雑音まで拾ってしまうので、撮影中は赤いランプを灯して「絶対に音を立てないでください」と徹底しています。
ネリーがマイクの下に立ってセリフを言うのですが、音量が大きかったり、立つ位置が遠すぎたり、誰かが扉を閉めてしまったりと、ワンシーンを撮るのに何時間もかかるのでした。
しかし、実際には演出技術は現代よりも優れているとして映画史の書籍には記載されています。
この時代を時代を知らない人が見ると「映画撮影にこんなに苦労したんだ」と思いますが、実際にはとこまで技術は劣ってはいないのです。
ブラックコメディとしてサイレント映画時代を誇張表現しているのも賛否が分かれました。
ラスト【ネタバレあり】
映画『バビロン』のラストでは映画の歴史が過去から未来へと繋がっていく様子が描かれています。
エドワード・マイブリッジにより連続写真から始まり、リュミエール兄弟による『ラ・シオタ駅への列車の到着』や『イントレランス』などのサイレント映画から引用されていました。
さらに、SF映画の代表作として『トロン』『マトリックス』、スピルバーグ監督からは『ジュラシックパーク』『インディー・ジョーンズ』、ジェームズ・キャメロン監督からは『ターミネーター2』『アバター』が登場します。
監督は「自分が思う映像の時代の変化や映像技術のターニングポイントだと思う作品をモンタージュした」と明かしていました。
この演出にも賛否が分かれています。
「そこまで分かりやすく表現しても響かない」や「ナルシズム過ぎる」や「登場キャラクターではなくダイレクトに監督からのメッセージ性が微妙」という否定的な意見がありました。
一方で「映画の歴史が詰まっており、今観ているのは裏で死んで行った人々の苦労と情熱の上に成り立っていると感じさせられる」や「映画のパワーを感じた、もっと映画が好きになった」という意見もありました。
ネット上の感想
ネット上の感想についてみていきましょう。
今日一日中バビロンの事考えるくらいには昨日の映画だいぶ余韻が凄いんだけど、ヒューマンドラマを見る人でなおかつ海外の愉快で下劣で海外ならではの美しさがあるものに理解がある人ならおすすめできると思った
— ぱにー2 (@pani_anime) February 23, 2023
「バビロン」見てきた。めっちゃ良かった
サイレントからトーキーへ移りゆく激動の時代の栄枯盛衰
劇中で奮闘してたすべての人々に、あなた達のやってきたことは今に息づいていると伝えたいな
映画好きな人全員におすすめしたい— 中尉 (@jetsheep) February 23, 2023
ネット上でも賛否両論が挙がっていました。
『バビロン』まとめ
2023年2月10日に公開の映画『バビロン』のあらすじ、キャスト、評価を調査してみました。
映画『ラ・ラ・ランド』で最年少で監督賞を受賞したデイミアン・チャゼル監督の最新作で、ハリウッド映画の栄枯盛衰を描いたヒューマンドラマです。
賛否両論の理由は『過激すぎるオープニング』『サイレント映画を誇張表現しすぎた表現』『ラストのモンタージュ』が挙げられます。
ネット上でもはっきりと賛否に分かれており、すべての人におすすめという映画ではありません。
しかし、デイミアン・チャゼル監督の気合いと映画愛はお腹いっぱいになり、特にネリーを演じたマーゴット・ロビーの演技は必見ですよ。