2021年1月1日に公開の『Swallow/スワロウ』についての解説です。
上流階級の夫と結婚した女性が子どもを妊娠して、孤独にさいなまれていき異物を呑み込むことに快感を覚えていく「異食症」を描いています。
ネット上ではラストに賛否両論が挙がっていました。
それは一体なぜでしょうか。
映画のあらすじ、キャスト、ネタバレを調査してみました。
『Swallow/スワロウ』あらすじ
大企業の御曹司のリッチーと結婚をしたハンター。
ニューヨーク郊外の大豪邸に住み何不自由ない生活を送っていました。
多忙なリッチーとの貴重なディナーで自分がそれほど幸せか話しましたが、夫はスマホに夢中でハンターのことを見てくれません。
ある日、ハンターの妊娠が発覚します。
義理母はハンターの妊娠を喜びます。お祝いの途中でハンターに話が振られても、義理母は興味を示すことなく話を遮ります。
次第に、ハンターの中で孤独感が広がっていきます。
ふと目に留まったビー玉を呑み込んでみたいという衝動にかられます。
思わず呑み込んだビー玉にこれまでに味わったことのない充足感を感じたハンター。
その日からハンターは異物を呑み込むことを快感を覚えました。
次々と異物を呑み込んでいくのですが…
『Swallow/スワロウ』のキャスト
映画『Swallow/スワロウ』のキャストについてみていきましょう。
ハンター役 ヘイリー・ベネット
ハンターを演じるのは、女優のヘイリー・ベネットです。
2007年に公開の『ラブソングができるまで』で女優デビューをしました。
ブレイクのきっかけは、2014年に公開の『イコライザー』に出演をしたことでした。
代表作としては、2016年に公開の『マグニフィセント・セブン』や2017年に公開の『アメリカン・ソルジャー』などが挙げられます。
リッチー役 オースティン・ストウェル
リッチーを演じるのは、俳優のオースティン・ストウェルです。
2009年に芸能入りをします。
ブレイクのきっかけは、2010年に放送の『新ビバリーヒルズ青春白書』に出演をしたことでした。
その後、2011年に公開の『パンクチュア 合衆国の陰謀』でスクリーンデビューをします。
代表作としては、2015年に公開の『ブリッジ・オブ・スパイ』や2017年に公開の『バトル・オブ・ザ・セクシーズ 』などが挙げられます。
キャサリン役 エリザベス・マーヴェル
キャサリンを演じるのは、女優のエリザベス・マーヴェルです。
1990年頃から舞台女優として芸能界入りをします。
2000年に公開の『Ten Hundred Kings』でスクリーンデビューをします。
ブレイクのきっかけは、2012年に公開の『ボーン・レガシー』に出演をしたことでした。
代表作としては、2012年に公開の『リンカーン』や2014年に放送の『ハウス・オブ・カード 野望の階段』などが挙げられます。
マイケル役 デヴィッド・ラッシュ
マイケルを演じるのは、俳優のデヴィッド・ラッシュです。
1970年に舞台俳優として芸能界入りをします。
その後、1978年に公開の『結婚しない女』でスクリーンデビューをします。
ブレイクのきっかけは、1986年に放送の『俺がハマーだ!』に出演をしたことでした。
代表作としては、2008年に放送の『オール・マイ・チルドレン』や2012年に公開の『メン・イン・ブラック3』などが挙げられます。
ウィリアム役 デニス・オヘア
ウィリアムを演じるのは、俳優のデニス・オヘアです。
1983年に舞台俳優として芸能界入りをします。
ブレイクのきっかけは、2011年に放送の『アメリカン・ホラー・ストーリー』シリーズに出演をしたことでした。
代表作としては、2008年に公開の『チェンジリング 』や2013年に公開の『ダラス・バイヤーズクラブ』などが挙げられます。
ルーシー役 ローレン・ヴェレス
ルーシーを演じるのは、女優のローレン・ヴェレスです。
舞台『ドリームガールズ』で女優デビューをしました。
その後、1994年に公開の『ブロンクス・ストリート』でスクリーンデビューをします。
ブレイクのきっかけは、1997年に放送の『OZ/オズ』に出演をしたことでした。
代表作としては、2006年に放送の『デクスター 〜警察官は殺人鬼』や2018年に公開の『パージ:エクスペリメント』などが挙げられます。
『Swallow/スワロウ』の注目ポイント
映画『Swallow/スワロウ』の注目ポイントやネット上の感想についてみていきましょう。
ハンターが異物を飲み込む行為の意味
映画『Swallow/スワロウ』では、さまざまな異物をハンターが呑み込んでいきます。
ビー玉、画びょう、乾電池、ドライバーなど。
ハンターが呑み込む異物はどんどんエスカレートしていくのです。
ハンターが異物を呑み込むのは「異食症」と呼ばれる病気が原因です。
物質的には何不自由ない生活を送っていますが、周囲からは認めれ貰えず、必要とされない孤独な日々を送っていました。
そんな中で異物を呑み込むことで自分自身を取り戻せると感じたハンター。
さらに、物語が進むにつれてハンターの過去の秘密が大きな影響を与えていることが分かります。
一見するとサイコ・スリラー映画かと思いますが、実際にはひとりの女性の自己を確立するフェミニスト映画と言えます。
アメリカとフランスの合作映画
映画『swallow/スワロウ』はアメリカとフランスの合作映画です。
映画の構図や色使いは、淡い色彩でまるでルーヴル美術館の絵画を観ているような印象を受けます。
淡い色彩を描くことで上流階級の中で自分という色を失っていく様を表現しています。
また、ハンターが異物を呑み込もうとするシーンでは、赤を使うことで異常さや自分を強く主張する様を表しています。
ラストに賛否両論!?(ネタバレあり)
映画『Swallow/スワロウ』では異食症が家族にバレてしまい、シリア人のルアイが監視役として付きます。
ハンターはルアイの目を盗みながら異物を呑み込む続けますが、次第にカウンセラーに心を開いていきます。
ハンターの誰にも知られたくない秘密は、自分は母親がレイプされて身ごもった子ということでした。
ハンターは誰にも言わないようにと伝えますが、あろうことがカウンセラーはリッチーにハンターの秘密を電話で告げてしまうのです。
それを影で偶然に聞いてしまったハンターは、ルアイの協力を得てリッチーのもとから逃げ出します。
逃げだしたことに怒ったリッチーから電話で罵倒され、居場所を失ったハンターは会ったこともない実の父親の元へいきます。
そして、父親に自らの罪を認めさせ、自己を受け入れたことでハンターは一人で生きていくことを決意するのでした。
どうしてラストが賛否両論なのかというと、ハンターはラストのシーンで中絶を誘発させるように薬を飲み、公衆トイレで子どもを堕ろすからです。
現在、アメリカでも中絶を禁止する州と中絶を擁護する州に分かれており、論争は続いています。
そのため、このラストには賛否両論が挙がっているのですね。
ネット上の感想
ネット上の感想をみていきましょう。
Swallow/スワロウ
「理想の妻」「完璧な女性像」を求め、「私は幸せ」だと言う主人公は心の中で息苦しさを感じている。そのストレスを「異物を飲み込む」事で解消させる。どんどん飲み込んで、どんどん溜まっていく。飲み込んだ「幸せ」はどこへ行くのか。ラストの彼女の選択とあの表情が忘れられない pic.twitter.com/ossmLeEzcX— ニニコ (@225_nini) January 6, 2021
#Swallow/スワロウ
夫や祖父母からの重圧、息苦しさを抱え、追い込まれ居場所を失っていく孤独。異物を飲み込むことは抑圧からの解放、自分が自分でいれることの喜び。スリリングな映像と繊細な演技、説得力のある展開、そしてラスト。一人の女性が自分を取り戻すまでの戦いを美しく不気味に、傑作。 pic.twitter.com/rATFnLaIn2— chan (@Buona__giornata) January 27, 2021
一人の女性が自分を取り戻すまでの戦いを美しく、狂気に描いた傑作だと高評価を得ていました。
まとめ
2021年1月1日に公開の『Swallow/スワロウ』のあらすじ、キャストを調査してみました。
上流階級の夫と結婚した女性が子どもを妊娠して、孤独にさいなまれていき異物を呑み込むことに快感を覚えていく「異食症」を描いた作品です。
劇中ではスリラー要素もありますが、実際にはひとりの女性の自己を確立するフェミニスト映画と言えます。
ラストでは、妊娠した子どもを中絶を誘発させる薬を飲み、公衆トイレで堕ろすシーンがあります。
このシーンが論争を起していました。
ネット上では、一人の女性が自分を取り戻すまでの戦いを美しく、狂気に描いた傑作だと高評価を得ていました。