2023年2月23日に公開の映画『ちひろさん』についての解説です。
Netflixでも同時配信されています。
有村架純演じる元風俗嬢のちひろと、どこか孤独を抱えた街の人々との何気ない日常を描いた映画です。
今回は映画『ちひろさん』のあらすじ、キャスト、原作との違いを調査してみました。
『ちひろさん』あらすじ
元風俗嬢のちひろは、海辺のとある小さな町のお弁当屋で働いていました。
当時の源氏名で名乗りながら、風俗嬢だったことを隠すこともなく堂々と生きています。
ちひろさんは立場や外見に左右されることなく、どんな人にも公平に接しています。
彼女のもとには、それぞれの問題を抱えた孤独な人々が引きつけられ、ちひろさんの包容力に癒されています。
そして、彼女自身も抱え続けている孤独や過去にふと気が沈むことがあって。
そんなマイページなちひろさんと町の人たちを描いたヒューマン映画です。
『ちひろさん』のキャスト
映画『ちひろさん』のキャストについてみていきましょう。
ちひろ役 有村架純
ちひろを演じるのは、女優の有村架純です。
2010年頃から芸能界入りを果たし、ドラマ『ハガネの女』で女優デビューをします、
その後、2013年に放送されたNHKドラマ『あまちゃん』でブレイクしました。
2015年に公開された映画『ビリギャル』では第39回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞・新人俳優賞を受賞しました。
代表作として2017年に放送の『ひよっこ』シリーズや2021年に公開の『花束みたいな恋をした』などがあります。
オカジ役 豊嶋花
オカジを演じるのは、女優の豊嶋花です。
2008年に子役として芸能界入りをします。
2013年に公開の『真夏の方程式』やドラマ『ごちそうさん』などで幼少期役を演じて、第二の芦田愛菜として注目を集めました。
最近では2021年に放送の『大豆田とわ子と三人の元夫』や2021年に公開の『都会のトム&ソーヤ』などがあります。
タエさん役 風吹ジュン
タエさんを演じるのは、女優の風吹ジュンです。
1973年に芸能界入りをします。
その後、1974年に歌手デビューをしてブレイクを果たします。
1979年に公開の『蘇える金狼』ではフルヌードで体当たりの演技をして話題を呼びました。
代表作として2017年に放送の『やすらぎの郷』や2020年に公開の『浅田家!』などがあります。
谷口役 若葉竜也
谷口を演じるのは、俳優の若葉竜也です。
1998年に放送された大河ドラマ『徳川慶喜』で俳優デビューをします。
その後、2006年に放送されたドラマ『マイ★ボス マイ★ヒーロー』で注目を集めます。
2007年に放送されたドラマ『生徒諸君!』や2008年に放送されたドラマ『ごくせん第3シリーズ』にも出演をしています。
最近では、2021年に公開された映画『街の上で』で主演を務めています。
バジル姐さん役 VAN
バジル姐さんを演じるのは、VANです。
2019年に開催された『ミス・インターナショナルクイーン』でグランプリを受賞して注目を集めました。
自分がトランスジェンダーであることを公表しています。
この映画で俳優デビューをしました。
風俗時代の店長役 リリーフランキー
風俗時代の店長を演じるのは、リリーフランキーです。
作家として活躍をしていましたが、1991年頃から音楽活動にも携わるようになります。
作家としては『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』が200万部を超える大ベストセラーを記録します。
俳優としては、2001年に映画『盲獣vs一寸法師』で主役に抜擢され俳優デビューを果たします。
その後も、2018年に公開された映画『万引き家族』で第42回日本アカデミー賞優秀主演男優賞や第28回東京スポーツ映画大賞主演男優賞を受賞するなど俳優としても高い評価をされています。
『ちひろさん』の注目ポイント
映画『ちひろさん』の注目ポイントやネット上の感想についてみていきましょう。
原作
原作は『ショムニ』で有名な安田弘之氏です。
『ちひろさん』は全9巻で、ちひろの風俗嬢時代を描いた『ちひろ』も上下巻で発売されています。
今回の映画化は、『ちひろさん』を基にしています。
どちらかと『ちひろ』では登場キャラクターは少なく、ちひろを中心とした物語ですが、『ちひろさん』では心に傷を持った街の住人とちひろとのやり取りが中心となっています。
原作との違い
原作では、祭りで店長に恋をしたバジル姐さんの話がありましたが、映画ではすべてカットされており、ちひろの親友という立ち位置だけでした。
さらに、大きな違いとしては原作ではお弁当屋の店長の妻のタエさんと退院後に旅行しましたが、映画では旅行まで描かれていませんでした。
また、映画ではタエさんから「どこにも行かなくていい」というセリフがありましたが原作ではありません。
映画では、マコトとオカジが親しく、マコトの家に行ったりしていましたが原作ではそこまで深い関係性ではありません。
ちひろもラーメン屋で喧嘩を止めたバーの経営者と恋愛エピソードがありましたが、映画では登場しませんでした。
それにより、ちひろをよりミステリアスで掴みどころがない猫のような自由な存在に描くことに成功していますね。
ちひろさんの過去をあえて描かない
映画『ちひろさん』ではちひろの過去は詳しく描かれていません。
それは、原作者である安田弘之氏の思いがあったからなのです。
なるべく描写を曖昧にしてあるのは、個々人の思い入れをの余地を作りたいから
自分が物語を味わう時に「正解」を出されるのがイヤ。
セリフで感情や過去をすべて語ってしまうのはよても野暮で、それによって想像の余地が奪われてしまうことをつまらなく思うから。インタビューより
そのためちひろさんは過去にどんな辛い体験をしたのかは、詳しくは描かれていません。
闇を視聴者に想像させる演出にわざとしているのですね!
ネット上の感想
ネット上の感想についてみていきましょう。
みんな頑張ってほしいしみんな色々あるよねぇ。みんな頑張れ。頑張らなくていいって言われたとしても。
自分の弱さを盾にしてたらそれはすぐ武器になって誰かを傷付けるし、それは自分自身に返ってくる。
ちひろさんって、そういう映画です。
愛の太陽(サントラも)聴いてくださいねー。
— 岸田繁 Shigeru Kishida (@Kishida_Qrl) March 5, 2023
#ちひろさん
職場、友達、家族。相手が特定の少数であれ、私達は日々、好かれ、認められる為に、考え行動している。そして、その行為に疲れている。でも、それをせずに生きる事は非現実的。だから、私達に代わり、ちひろさんが映画の中で一切を切り離し自分らしく生きる姿を観て、感動できるんだろうな pic.twitter.com/X4YZxCJuJ7— マチルダ (@60VongxrrUfsMfz) February 25, 2023
ちひろの誰にも縛られることのない自由な生き方をリスペクトする意見が多く挙がっていました。
まとめ
2023年2月23日に公開の映画『ちひろさん』のあらすじ、キャスト、原作との違いを調査してみました。
原作は、安田弘之の全9巻の『ちひろさん』を基にしています。
主演は、有村架純や豊嶋花、リリーフランキーなど人気俳優が出演しています。
原作との違いは、映画ではタエさんとのエピソードやちひろの恋愛などを描いていません。
それにより、ちひろをよりミステリアスで掴みどころがない猫のような自由な存在に描くことに成功しています。
ちひろの過去をあえて描かないのは、原作者である安田弘之氏の希望で闇を視聴者に想像させる演出にしています。
ネット上では、ちひろの誰にも縛られることのない自由な生き方をリスペクトする意見が多く挙がっていました。
肩の力を抜いて観られる作品ですね。