不倫の果ての誘拐事件『八日目の蝉』タイトルに隠された2つの意味とは?

不倫の果ての誘拐事件『八日目の蝉』タイトルに隠された2つの意味とは?邦画
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「対岸の彼女」「紙の月」など多くの文学賞をとっている、角田光代さんの原作を基にした映画「八日目の蝉」
記憶の中にある、優しいお母さんは、実は自分を誘拐した父の不倫相手だった。

そんな衝撃的な物語の裏に隠された、母の愛とは。

涙無しでは見れない作品で、日本アカデミー賞で多くの賞を獲った作品です。

なぜ女性は、誘拐することにしたのか。
そして誘拐された子供の現在と、家族との繋がりとは。

『八日目の蝉』あらすじ

子供を身籠った希和子。

しかし子供の父親は、既婚者で妻とは別れられないといって、子供を堕ろすよう言われる。
それが原因で子供が産めない体になってしまった希和子は、ある日、その男性の家に忍び込んだ際、微笑みかけられた赤ちゃんを誘拐してしまう。

「薫」と名付けたその女の子を、大事大事に育てる希和子。
身を隠すように宗教施設に入ったり、それが縁で離島に移り住んだりと薫とともに生きる。

しかしある日、写真を撮られたことがきっかけで、2人の生活に不穏な空気が漂う。
2人はどのような最後を迎えてしまうのか。

『八日目の蝉』キャスト

今回は、不倫を経て誘拐をしたことによって人生を変えることとなった女性と、誘拐された子供を演じた二人をご紹介します。

希和子 / 永作博美


1970年10月14日 / 茨城県出身

美少女コンテストで優勝後、アイドルグループ『ribbon』のメンバーとしてデビュー。
その後、歌手としても活躍後、『劇団☆新感線』に所属し、ドラマや映画で活躍を始める。
魔性の女を演じたり、苦しみに立ち向かう女性を演じることが多い。

代表作「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」「人のセックスを笑うな」「朝が来る」

本作では、愛する人にまっすぐな愛を向けられず、子供を誘拐後苦しみながらも幸せを見つける女性の姿を演じた。

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大人になった薫(恵理菜)/  井上真央

1987年1月9日 / 神奈川県出身

劇団に入ったことがきっかけで、子役として活躍するようになると、1999年から4年間放送されていた昼ドラ『キッズ・ウォー』で主人公として活躍。
同世代の若者たちから、強い人気を得る。
その後、『花より男子』シリーズで、主人公のつくしを演じると、正義感あふれる性格がぴったりだと話題に。
現在も映画を中心に活躍する、女優のひとり。

代表作『キッズ・ウォー』シリーズ『花より男子』シリーズ『僕の初恋をキミに捧ぐ』

本作では、子供のころに誘拐された事実を知り、それでも夫婦として生活を続ける両親に、どこか違和感を持つ女性を演じている。

タイトル『八日目の蝉』の意味は?

蝉はもともと7日間しか生きられない、と言われているので、「八日目の蝉」というタイトルに違和感を感じますよね。
このタイトルには、実は2つの意味が込められている、と言われています。

夫のいない妊婦の意味

蝉は7日間しか生きられない、と言われていますが、これは本来オスの蝉のみです。
(といっても飼育されると、7日間ですが、自然界では余裕で1か月ぐらい生きるらしい。)

7日間の間に交尾を終えたオスは、7日目に亡くなりますが、メスの蝉は産卵のために7日では亡くなりません。
なので『八日目の蝉』というのは、オスが不在の妊婦、という意味です。

今回の場合は、実際に出産することはありませんでしたが、希和子に当てはまりますね。
そして大人になった薫もまた、希和子同様、妻帯者と不倫をし、子供を身ごもってしまいます。

『八日目の蝉』とは、希和子であり、薫のことです。

誰も見たことのない景色という意味

劇中で、蝉について話すシーンがあるので、実際にはこちらの意味のほうが強いかと思います。

薫は「八日目を迎えた蝉は、周りの仲間たちがいなくなった後で生き延びるのは、寂しい」と千草に伝えます。

千草はその時、それに対して返答をするわけではありませんでしたが、後日
「周りには誰もいないかもしれないけど、誰も見ることの出来なかった景色は、とても美しいものかもしれない」
と答えるのです。

普通とは違う生活を送ってきた薫は、自分の境遇について悩む日々でしたが、千草のその言葉のなかに、希望を見出します。
幸せな日々を夢見る薫は、何を感じ、どう決意するのでしょうか。

『八日目の蝉』まとめ

これは本当に泣ける〜〜〜!

希和子は最後まで、薫の母として務め、薫の母になりたかったんだな、というのが伝わってくるんですよね。
そして大人になった薫も、事件のことを知って育っていて、今でも夫婦として生活する両親に対する気持ち。

また自分がもっている幸せな生活の思い出は、実の母ではなく、希和子との暮らしであることに、罪悪感を持っている様子も伝わってきます。

どんな形になるのが正解なのかわからないまま、薫が希和子との暮らしを回想するシーンにも涙がでます。

また、大人になった薫(本当の名前は恵理菜)に近づいてくる、小池栄子さんが演じる千草という女性。
彼女と薫との思い出や、セリフもまた、ぐっときます。

これを見た時、キャストの皆さんの演技力(特に小池栄子さんがすごい)を見て、邦画のレベルがまた一つ上がったな、と思ったものです。

ぜひご覧ください!