「私と飲んだ方が楽しいかもよ笑?」
未だかつてこんな誘い文句があっただろうか。
だけどこの一文から滲み出る、あざとさと、青春の匂い。
この強烈な一文が綴られた小説「明け方の若者たち」がついに映画化!
小説と縁が遠くなっていた若年層をも、再び活字の世界に引き込んだ作品として注目です。
公開は2021年12月。
主題歌は「恋人ごっこ」で有名となった「マカロニえんぴつ」となりました!
ちょっとだけ人恋しくなる季節に公開される、こちらの作品は、一体どんな作品なのでしょうか?
明け方の若者たち、原作読んでいたので映画化すごく楽しみ。期待しかない。 pic.twitter.com/3vTBAT0Ol6
— モネ。 (@JF43xVkq13YRB8F) September 29, 2021
『明け方の若者たち』あらすじ
学生最後の飲み会で、一目ぼれのように出会った彼女。
抜け出した僕の携帯に届いた、「私と飲んだほうが楽しいかもよ笑?」という一文に心を奪われる。
こんなはずじゃなかった、という連続が続く人生のうち、5年間を彼女と共に過ごす。
幸せになれないとわかっていても、断ち切る勇気のない僕。
就職を経て変わっていく人間関係に負けそうになりながらも、彼女と親友・尚人と過ごしたあの青春の日々だけが僕を支えていく。
IKEAで買ったセミダブルのベッド、フジロックに対抗して旅に出た夏、鮮烈に残る青春の匂いは、きっとあなたの思い出をも擽っていく。
『明け方の若者たち』キャスト
今回は主要キャストとなる3人をご紹介します。
僕 / 北村 匠海
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1997年11月3日 / 東京都出身
小学生のころスカウトされ、芸能界入りするも当初はオーディションに落ち続ける。
その後、CM出演を経て、歌手の道へと進む一方で、俳優としても出演を重ねる。
特に、2017年に公開された「君の膵臓をたべたい」がヒットすると、人気となる。
歌手としては「DISH」のギターボーカルと行い、活躍。
数々の作品に出演する、若手俳優の一人。
代表作「君の膵臓をたべたい」「とんかつDJアゲ太郎」「東京リベンジャーズ」
本作では過去の思い出を懐古しながら、今を生きるリアルな青年像を演じる。
彼女 / 黒島 結菜
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1997年3月15日 / 沖縄出身
「沖縄美少女図鑑賞」を受賞したことをきっかけに、芸能界入りする。
CMやバラエティ番組に出演していたが、女優活動も活発に行うようになると、特にNHKの番組に多く出演。
連続テレビ小説「マッサン」や「花燃ゆ」「いだてん」など清楚で素朴な外見を生かした役柄をすることが多い。
2022年にもNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」でヒロインを務めることが発表された。
代表作「花燃ゆ」「スカーレット」
今回の役柄は、メールよりも手紙、うどんよりもそばを頼むような女性が彼女であると表現されていた。
清廉された雰囲気と、おちついた表情がぴったりです。
尚人 / 井上 祐貴
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1996年6月6日 / 広島県出身
ホリプロスカウトキャラバンで審査員特別賞を受賞し、芸能界入り。
翌年に舞台「ピーターパン」で俳優としてデビュー。
その後、「ウルトラマンタイガ」でテレビ初主演となる。
現在、俳優として着実に力をつけていっている若手のひとり。
代表作「ウルトラマンタイガ」
『明け方の若者たち』は『はな恋』に似てる?
この作品を検索すると、映画「花束みたいな恋をした」について書かれているツイートが多くありました。
「似てる」と答える人もいれば、「似てない」と答える人も。
実はこの作品、舞台が同じ”明大(明治大学)前”
エモさを感じさせる明大前の沖縄料理屋も、写ルンですで撮った江の島も、飲み歩いた高円寺も町の雰囲気や匂いまでもが、何だか同じなんです。
なので「似ている」と答える人もいますが、実際は、少し複雑なのが「明け方の若者たち」
「花束みたいな恋をした」は菅田将暉さん演じる麦くんと、有村架純さん演じる絹ちゃん、ふたりの恋模様が時代ごとに変化し、心が近くなったり遠くなったりを再現しています。
今回の「明け方の若者たち」では、一目ぼれした僕と、僕に近づいた彼女、そしてその2人を見守る尚人の3人の他、とても重要だけど、姿の見えないもう1人の存在があります。
この1人が存在することで、物語はより複雑で、苦い青春になってしまうんですよね。
ただどちらともに当てはまるのが、「誰にでも身に覚えのある感情」という部分。
地方に住む人は、明大前も江の島も知らないけれど、まるで自分のことのように鮮明に感じる描写が似ています。
主人公の置かれた状況ではなく、その時感じた感情が、自分も感じたことのある感情です。
時に苦しく、時に切なく、時に暖かさを感じる思い出が、自分に寄り添いながら映画を見ることになるでしょう。
花束みたいな恋をした、をみて、カツセマサヒコさんの明け方の若者たちを思い出した。
ストーリーは全然ちがうんだけどさ、東京でこの時代を生き抜いた生々しい記録なんだよな両方。
僕は学生時代を京都で過ごした。それはそれですごく誇らしいけれど、やっぱり東京のもつ儚さと美しさに憧れるんだ。 pic.twitter.com/ir1fz6eMNo
— ととちゃん (@totochabazooka) February 11, 2021
「花束みたいな恋をした」と「明け方の若者たち」が似ていると言っている人は小説を読んだことないんだろうな。全然違う。明け方の若者たちの方がドロドロしている。
— 🌨 (@akigaichibanda) October 5, 2021
花束みたいな恋をした、
明け方の若者たち 背景や内容が似てるって思った
今の多くの若者が求めてしまうのは夢のようなロマンティックな物語じゃなくて、現実味を帯びた どこか自分にも当てまる様な 感情移入できるお話なのかな
私もそのひとりだけど— 深碧 (@gyomin_midori) February 16, 2021
まとめ
原作を読んだとき、「リアルだ…」って思いました。
味わったことのない経験も、自分に置き換えてリアルに感じることが出来る作品で、これが映画化されたら、「花束みたいな恋をした」同様、かつて若者だった人たちの心をえぐっていくんだろうな、と感じたんです。
「こうやって感じた時もあったな」と思いながら、「気づいたら結構遠い思い出なんだな」と気付くとき、タイトルでいう”明け方”はとうに過ぎてしまった時間なんだと思い知らされます。
どこにもなじめないでいる主人公の僕も、すべてを見透かしたような彼女も、映画ではうまく再現されているのが楽しみです!