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映画『ブラック・クランズマン』と大きく荒れたアカデミー賞

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2019年のアカデミー賞は大荒れに荒れた。
荒れたといっても、良い意味でだが。

巨匠あるいは鬼才と評されるスパイク・リー監督作の「ブラック・クランズマン」が、遂にアカデミー脚色賞を受賞し、それこそ万雷の拍手と賛辞が贈られた。

スパイク・リー監督とアカデミー賞

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スパイク・リー監督と言えば、2008年に公開された映画「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」を槍玉に挙げた。

壮絶な舌戦

「命を懸けて戦っていた黒人兵士が一人も出てこない」リー監督が猛烈に批判したところ、あくまでも史実に忠実に撮ったという名匠クリント・イーストウッド監督は「黙ってろ!」一喝。
壮絶な舌戦を繰り広げたことで、最新作(当時)「セントアンナの奇跡」がアカデミー賞から遠ざかってしまったのだ。

リー監督の妻トーニャ・ルイスは、「折角良い映画を撮ったのに、アカデミーに愛されているイーストウッド監督を敵に回したことで、貴方に与えられるべきだった名誉が遠ざかったかもね」と進言。
リー監督は大いに後悔した。

修復と栄光

今現在は、リー監督とイーストウッド監督の関係は、スピルバーグ監督が仲裁に立ったことで修復、両者とも良好な関係を築いているが、常に革新的なリー監督の作品が、アカデミー賞で審査の対象から外されてしまっていたのが事実。

ところが2019年、遂に悲願であったアカデミー脚色賞を受賞したのだから、本人はもちろん、長年リー監督を支え彼の作品を愛してきた多くの俳優がリー監督本人と同じように喜び、最大限の祝福を贈った。

『ブラック・クランズマン』に主演ジョン・デイヴィッド

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「ブラック・クランズマン」に主演したのは、ジョン・デイヴィッド・ワシントン。
名実ともに名優の中の名優と認められたデンゼル・ワシントンの長男である。

ジョン・デイヴィッド本人はフットボールの才能を認められ、名門モアハウス大学にフットボールの特待生として学費全額免除で通い、卒業後はプロのフットボールプレイヤーとして活躍していたが、2012年に選手生活は引退、以降は父と同じく俳優の道を歩んでいる。

『ブラック・クランズマン』のあらすじ

まだ全米で人種差別が色濃く残っていた時代。
ロン・ストールワースは、コロラド州コロラド・スプリングスの警察署で、初の黒人刑事となった。

ある日、ひょんな事でKKK、白人至上主義団体に潜入することになり、電話はロンが、実際に会うのは同僚の白人刑事フィリップ・ジマーマンが担当することになったのだが、フィリップもユダヤ人だった。

KKKの集会に参加するたびにユダヤ人に対する差別用語を浴びせられ、2人の仲はぎくしゃくしてしまう。前代未聞、黒人とユダヤ人によるKKKへの潜入捜査の結果は、果たして…?

9歳で父デンゼル・ワシントンと共演

本格的に俳優業に乗り出したのはつい最近だが、ジョン・デイヴィッドの俳優デビューは9歳の時だった。
スパイク・リー監督、デンゼル・ワシントン主演の伝記映画「マルコムX」の最後で、カメオ出演を果たしている。
出演時間は僅かに一分足らずだったが、敬愛する父の代名詞ともいうべき超大作映画に共演できたことは、間違いなく名誉であろう。

ジョン・デイヴィッド・ワシントンは「ブラック・クランズマン」の後も、ロバート・レッドフォード監督の引退作「さらば愛しきアウトロー」に出演、クリストファー・ノーラン監督最新作「TENET テネット」に主演、父デンゼル・ワシントンがアカデミー主演男優賞を受賞した意欲作「トレーニングデイ」の前日譚に主演がほぼ確定、と俳優としてのキャリアを確実に積んでいっているが、もちろん瑕疵はある。

瑕疵(読み方:かし)
欠点や、キズが付いている対象を指す意味

最大の瑕疵

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最大の瑕疵は、1995年、父デンゼル・ワシントンに、SFアクション映画「バーチュオシティ」への出演を頼んだことであった。

デンゼル・ワシントンは1989年に「グローリー」で既にアカデミー助演男優賞を受賞。
1992年には伝記映画の大作「マルコムX」に主演し、1993年にはシェイクスピア原作の戯曲名作「から騒ぎ」、一流の政治サスペンス映画「ペリカン文書」、法廷ドラマの名作「フィラデルフィア」、とそうそうたる名作映画に次々と主演、演技派としての地位を確固たるものとしていた。

しかし、デンゼル・ワシントンは、息子ジョン・デイヴィッド・ワシントンの頼みで、言い方は酷いが、B級SF映画「バーチュオシティ」に主演することになってしまったのだから、これは間違いなく瑕疵だった。

今後のジョン・デイヴィッド・ワシントンに期待!

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事実「バーチュオシティ」で共演を果たしたデンゼル・ワシントンとラッセル・クロウは、実在のギャングスタ―、フランク・ルーカスの半生を描いた「アメリカン・ギャングスタ―」で再共演を果たした。
しかし2人とも「バーチュオシティ」でも共演したことは一切口にしないあたり、2人にとってもあまり思い出したくない過去に分類されるからであろう。

とはいえ、偉大な名優である父親デンゼル・ワシントンにB級映画への出演を頼み込んだとしても、ジョン・デイヴィッド・ワシントンは、今将来を期待されている新人俳優なのは確かである。

今後も、ジョン・デイヴィッド・ワシントンの輝かしい栄光の軌跡を見守りたいものである。

この記事を書いた人
エンゼル・ワシントン

映画観賞と小説を書くのが大好きです。
デンゼル・ワシントンが好きすぎて困ってます。
ついでに(笑)、イーサン・ホークも好きです。

ピクシブでこそこそと頭の悪い二次創作小説を書いています。

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