原作・村上春樹『ドライブ・マイ・カー』あらすじ、キャスト、ネタバレ考察!

原作・村上春樹『ドライブ・マイ・カー』あらすじ、キャスト、ネタバレ考察!邦画
出典元:U-NEXT

2021年8月20日に公開された映画『ドライブ・マイ・カーについての解説です。

第94回アカデミー賞で4部門にノミネートされた超話題作です。
原作は村上春樹で監督は濱口竜介がメガホンを取っています。

映画『ドライブ・マイ・カー』のあらすじ、キャスト、ネタバレ考察を徹底解説したいと思います。

『ドライブ・マイ・カー』あらすじ

舞台俳優で演出家でもある主人公の家福悠介の妻・ある秘密を残して突然亡くなってしまいます。
家福は愛する妻が亡くなった喪失感と音が伝えたかった秘密をずっと探っていました。

音が亡くなった2年後、愛車で広島の演劇祭に訪れます。
演劇祭中に紹介された寡黙な女性ドライバーのみさき
最初は、自分の愛車で移動したいとみさきを断っていましたが、徐々に関係を深めていきます。

みさきと過ごす中で、家福がこれまで目を背けてことに気が付いていきます。
一体、愛する妻の知られざる秘密とは何なのでしょうか。

『ドライブ・マイ・カー』の監督・キャスト

映画『ドライブ・マイ・カー』の監督・キャストについてみていきましょう。

監督:濱口竜介

2008年に映画『PASSION』で監督デビューをしました。
その後、東日本大震災の被災者へインタビューをした『なみのおと』や『うたうひと』などで注目を集めました。

2018年に公開の『寝ても覚めても』では第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、第40回ヨコハマ映画祭では監督賞を始め、主演男優賞、助演女優賞、最優秀新人賞など総なめをしました。

最近では、2020年に公開の『スパイの妻』の脚本や『偶然と想像』などを手がけています。

家福悠介役 西島秀俊

家福を演じるのは、俳優の西島秀俊です。

1992年に放送の『はぐれ刑事純情派5』で俳優デビューをしました。
その後、1994年に公開の『居酒屋ゆうれい』でスクリーンデビューを果たします。

ブレイクのきっかけは、1999年に公開の『ニンゲン合格』に出演したことでした。
この映画で第9回日本映画プロフェッショナル大賞で主演男優賞を受賞しました。

代表作としては、2011年に公開の『CUT』や2014年に放送の『MOZU』シリーズや2019年に放送の『きのう何食べた?』などを挙げることができます。

渡利みさき役 三浦透子

みさきを演じるのは、女優の三浦透子です。

2002年になっちゃんのCMで子役デビューをしました。

その後は、2010年に放送の『新・警視庁捜査一課9係 season2』や2011年に放送の『鈴木先生』などに出演をして頭角を現します。

2012年に公開の『悪の教典』でスクリーンデビューを果たしました。

代表作としては、2015年に公開の『私たちのハァハァ』や2020年に公開の『ロマンスドール』などを挙げることができます。

高槻耕史役 岡田将生

高槻を演じるのは、俳優の岡田将生です。

中学2年生でスカウトされ芸能界入りを果たします。

2006年にドラマ「東京少女」でドラマデビューをしました。
2007年に映画「天然コケッコー」で主演を務めました。

2009年に公開の『ホノカアボーイ』で映画初主演を果たします。この年には2009年度の映画祭で新人賞にも輝いています。

代表作品として2009年に公開の「僕の初恋ウィキミに捧ぐ」や2015年の映画「ストレイヤーズ・クロニクル」などを挙げられます。

家福音役 霧島れいか

音を演じるのは、女優の霧島れいかです。

1998年にモデルとして芸能界入りをします。
その後、2005年に公開の『運命じゃない人』でヒロインを演じて注目を集めました。

代表作としては、2010年に公開の『ノルウェイの森』や2015年に公開の『家族ごっと』を挙げることができます。

『ドライブ・マイ・カー』の注目ポイント

映画『ドライブ・マイ・カー』の注目ポイントやネット上の評価についてみていきましょう。

アカデミー賞4部門にノミネート!

第94回アカデミー賞の候補作が2月8日に発表され、監督賞、長編国際映画賞、作品賞、脚本賞の4部門でノミネートされました。
日本映画が作品賞にノミネートされるのは初めてなのです。

映画『ドライブ・マイ・カー』が海外で高く評価されているのは、説明が少なく、作品の中で自らが感じ取らないといけないからです。
また、劇中に登場する演劇「ワーニャ伯父さん」は物語とリンクしており、舞台好きなら王道と言える作品です。

海外では演劇を観るのは一般的で、作品時間が3時間というのも長くは感じません。
そのため、海外では高い評価をされているのですね。

原作は村上春樹『女のいない男たち』

映画『ドライブ・マイ・カー』は、村上春樹の「女のいない男たち」の短編集にある作品を基にしています。

「女のいない男たち」自体が短編集のため、原作にないシーンも多いのが特徴です。
しかし、村上春樹の世界観を大切しており、村上春樹の世界観を膨らませるために、短編集にある「シェエラザード」や「木野」なども盛り込まれています。

実際に、オープニングまで40分もあるのですが、そのシーンは原作にはない部分なのです。
それほど長いオープニングなのは、原作小説には無い部分を濱口監督が描いているからなのです。
このオープニングを観ることで原作の世界観をより深く掘り下げてくれています。

『ドライブ・マイ・カー』のネタバレ考察

ここからは、ドライブ・マイ・カーのネタバレ解説をしていきます。

物語にリンクしている演劇『ワーニャ伯父さん』

映画『ドライブ・マイ・カー』を観る前に演劇『ワーニャ伯父さん』を知っておくとさらに作品を楽しめます。

『ワーニャ伯父さん』は1897年に出版された『チェーホフ戯曲集』で発表された作品です。
副題は『田園生活の情景』『かもめ』『三人姉妹』『桜の園』と四大戯曲と呼ばれています。

この物語で登場するワーニャが家福で、エレーナが音を現しています。
そして、アーストロフが高槻耕史です。

『ワーニャ伯父さん』の相関図を知っておくと、より分かりやすいですよ。

『ワーニャ伯父さん』を簡単に紹介したいと思います。

大学教授だったアレクサンドルが定年を迎えて田舎に還ります。
アレクサンドルには若く美しい妻のエレーナがいます。
アレクサンドルには前妻のヴィーラがいましたが、既に亡くなっています。

ヴィーラには兄のワーニャがいました。
アレクサンドルとヴィーラには、娘のソーニャがおり、ソーニャから見るとワーニャは伯父にあたります。

ワーニャは25年もの間、アレクサンドルに尽くしてきましたが何の意味もないことを知り絶望をします。

『ワーニャ伯父さん』は人間の生活や人生を肯定している物語なのです。

ヤツメウナギの話

家福と音は、セックスをしながら音が物語を語ります。
翌朝、音は自らが話した物語を覚えておらず、家福が代わりに音に物語を語ります。

ある日、二人のセックス中に音が「ヤツメウナギの話」を語ります。

女子高生には片思いの同級生・山賀がいました。

彼女は、山賀の家に忍び込んでは彼の秘密を知ろうとしました。彼女は自らが家に来たことを山賀に教えるために忍び込んだ日は私物を一つ残していきました。
彼女は、山賀の家でオナニーをしようと思いますが彼女のルールでそれはしません。
彼女は、自分の前世が「ヤツメウナギ」であることを思い出したのです。

自分は高貴なヤツメウナギで、上を通る魚に寄生せずに岩場にたゆたっていました。
山賀の家が整頓されており、それは山賀の母親の影響だと思いました。
彼女は整理整頓された部屋が嫌いでした。
それは母親の存在を感じるからです。彼女は、次第に我慢できなくなりオナニーを繰り返してしまうのでした。

そんなある日、誰かがやってきました。
母親?それとも山賀?このまま彼女は終わってしまうと思い涙しました。

ここで、一度音から家福へ語りは終わります。
家福は物語を続きを聞く前に音は亡くなってしました。

劇中で、この物語の続きを実際の浮気相手だった高槻から聞きます。

やって来たのは、もう一人の空き巣でした。
空き巣は下半身を露出した彼女を見て襲い掛かってきます。
彼女は抵抗して、空き巣の右目を刺しました。彼女は空き巣をもみ合っているうちに空き巣を殺してしまったのです。彼女は、空き巣の死体を隠すことはせずに部屋に残していきました。それは山賀に気が付いて欲しかったからです。しかし翌朝、学校へ行くと山賀はいつも通り彼女に接していました。
ただ変わったのは、部屋の鍵が無くなり、玄関に監視カメラが付いていました。彼女は、監視カメラに向かって何度も叫びました。『私が殺した』と。

ヤツメウナギの話の意図

家福と音には幼いの娘がいました。
しかし、娘は肺炎で亡くなってしまいます。
音は亡くなる直前に家福に「子どもをもう一度欲しかった?」と尋ねました。
家福は「二人で決めたことだ、誰もあの子の変わりにはならない」と答えます。

二人にとってセックス中に音が生み出す物語は「子ども」だったのです。
音は浮気をしてしまい、それを家福に打ち明けたかったのです。
それは「空き巣(高槻)を殺してしまった(浮気をしてしまった)」ことから分かります。

彼女(音)は、オナニー(子どもを作ること)を禁止されていたため、我慢できませんでした。
整理整頓された部屋に母親を感じていたからです。
かつて娘が生きていた時に母親だった自分を感じてしまい、嫌だったのです。

自分で決めていたオナニーというルールを破ってしまい、後悔の念に苛まれていました。
山賀(家福)に気が付いて欲しかった。

しかし、家福は音から目を背けました。
部屋=心の鍵は隠した、つまり心は閉ざしたが監視カメラ=意識はしていたのです。
音は、それによって死んでしまったと言えます。

ラストの20分のチェーホフのテキスト

映画『ドライブ・マイ・カー』のラスト20分に感動をします。

家福は自らが音と向き合わずに現実から目を背けていたことを知り後悔をします。

同じようにドライバーのみさきも地元の北海道で起こった地滑りで、自宅が倒壊して自分は逃げたものの母親を見捨ててしまったという過去を持っていました。

二人は、みさきの故郷だった北海道の丘の上にたち、朝焼けの中で泣き崩れる家福をそっと抱き締めます。

ワーニャ伯父さん、生きていきましょう。
長い長い昼と夜をどこまでも生きていきましょう。
運命が送ってよこす試練にじっと耐えるの
安らぎはないかもしれないけれど、他の人のために今も、歳をとってからも働きましょう。
そして私たちの最後がきたら大人しく死んで行きましょう。
そしてあの世で申し上げるの
私たちは苦しみましたって
涙を流しましたって
辛かったって
すると神様は私たちのことを憐れんで下さるわ
そして、ワーニャ伯父さん
伯父さんと私は明るい素晴らしい夢のような生活を目にするのよ
私たちは嬉しくなってうっとりと微笑みを浮かべてこの今の不幸を振り返るの
そうしてようやく私たちほっと息をつけるんだわ

ワーニャ伯父さんより

このセリフが心に響きますね。

家福はラストシーンで役者としてワーニャを演じて再生を果たします。
韓国で愛車を他の人に運転させている家福が描かれています。
悲しみ、苦しみ、人間のもろさ、すべてを受け入れて働く姿に心打たれます。

ネット上の評価

心に残る名作だと高評価を得ていました。

まとめ

2021年8月20日に公開された映画『ドライブ・マイ・カー』のあらすじ、キャストについて調査してみました。

監督は世界中で注目をされている濱口竜介です。
第94回アカデミー賞で4部門にノミネートされた超話題作です。

原作は、村上春樹の「女のいない男たち」の短編集にある作品を基にしています。

映画には原作にはないシーンが多いですが、原作小説には無い部分を濱口監督が描いており、村上春樹の世界観を崩すことなく濱口監督の独特の世界観を調和させています。

劇中には演劇『ワーニャ伯父さん』が何度も登場し、物語ともリンクしています。
『ワーニャ伯父さん』の登場人物や物語を知っていくとさらに作品を楽しめます。

ラスト20分の感動は悲しみ、苦しみ、人間のもろさ、すべてを受け入れて働く姿に心打たれます。
3時間と長い作品ですが、あっという間に過ぎる至福のひと時をぜひ味わってください。

この記事を書いた人

映画・ゲーム・食べることが好き。
お風呂と小動物が癒し。

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