「風が強く吹いている」「まほろ駅前多田便利軒」などベストセラーを多く書いてきた三浦しをん原作の「舟を編む」
辞書作りという、なかなか陽の当たらない世界にスポットを当て、真面目な彼らの生き方と、言葉に魅了される映画です。
普段私たちが使う「言葉」は一体どんな意味なのか、そしてなぜそれが辞書に載っているのか。
時代とともに変わる、生きている言葉と、あなたも向き合う133分になりますように。
こんばんは🐾
今日の映画は
「舟を編む」
手紙じゃなくて言葉でききたい私この映画とても好きで、特にこの
告白のシーン大好きなんです🙈
同じ言葉でも伝え方によって感じ方も全然違って不思議だなあっていつも思うんだ💭#映画 #今日の映画 #舟を編む #宮崎あおい さん#映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/P0VJxerb7p— 富岡明弥香 (@tomioka_ayaka) May 9, 2018
『舟を編む』あらすじ
辞書作りをしてきた編集者が退職することになり、後任としてやってきたのは言葉に取り憑かれていた、馬締(まじめ)。
名前の通り真面目で、1つのことに集中できる性格だが、人とのコミュニケーションはあまりうまく取れない。
新しい辞書を作り始めた彼らだったが、日々生きている言葉と向き合う。
そんなある日、馬締は下宿先の大家の孫・香具矢に一目惚れすると、いつもの調子を狂わせてしまう。
見かねた同僚たちは、「恋」という言葉の語釈を馬締にさせることにした。
馬締の考える「恋」と、辞書の運命とは?
舟を編む、何回観ても何周観ても本当に一番好きな映画って言いきれる
— こまだちゃん (@kendo_spin) July 3, 2021
キャスト
今回は、辞書作りに奮闘する主人公と、そんな主人公が恋する大家の孫をご紹介します。
馬締 / 松田 龍平
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1983年5月9日 / 東京都出身
俳優・松田優作と女優・松田美由紀の長男として生まれ、弟には俳優・松田翔太がいる、芸能一家。
映画『御法度』で芸能界デビューすると、新人賞を総なめにし、父の影響もあり、芸能界で活躍。
2002年『青い春』では、社会問題となっている若年の殺人事件を扱ったこともあり、話題となる。
多くのドラマや映画に出演するなか、本作の原作者の別作品『まほろ駅前多田便利軒』に出演。
本作で再び、三浦しをんの作品に出演すると、アカデミー賞をはじめ、多くの賞を受賞する。
代表作『青い春』『探偵はBARにいる』シリーズ『天地人』
本作では、めったに感情を表に出さない主人公を演じている。表情を出さない分、目線の動きだけで、感情が見て取れるような、繊細な動きを見事に演じた。
香具矢 / 宮崎 あおい
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1985年11月30日 / 東京都出身
母の意向で子役デビューすると、雑誌ピチレモンのモデルとして活躍する一方、女優としての実力を積む。
映画やドラマ、舞台や声優など幅広い活躍を見せ、大人気漫画を実写化し、中島美嘉とダブル主演を務めた『NANA』で知名度が上がる。
翌年、NHK連続テレビ小説で、ヒロインを演じ、さらに幅広い層に人気となる。
2018年にV6の岡田准一との間にできた子供を出産してからは、仕事を控えている。
代表作『純情きらり』『NANA』『ソラニン』『怒り』
本作では丁寧な仕事ぶりが光る料理人の女性を演じている。
『大渡海』の意味とは?
馬締たちの作る辞書の名前は「大渡海(だいとかい)」
なぜこの名前なのか、というのは辞書を監修する松本という上司が、劇中で説明しています。
「誰かとつながりたくて、広大な海を渡ろうとする人たちに捧げる辞書。それが大渡海です。」
映画ではこのように書かれていますが、アニメでは馬締によって、もう少し細かく書かれています。
アニメの1話で
「海を渡るすべを持たない僕たちは、そこでただ、佇む。
誰かに届けたい思いを、言葉を、胸の奥底にしまったまま。
辞書とは、その海を渡る、一艘の舟だ」「言葉の海を前に佇む人の、心を、思いを運ぶために、僕たちは、舟を編む。
言葉の海を渡る、大渡海という、舟を。」
ここに書いてある、「海を渡るすべを持たない」というのは、「適切な言葉が浮かばず、伝える方法がない」ということでしょうか。
そしてここにある「海」とは、対人関係や自分自身の気持ちと向き合うことなのでしょう。
辞書を使う人たちは、自分の想いを明確に伝えたい、という気持ちを抱えていたり、相手の気持ちを理解したい、という気持ちがあるのではないでしょうか。
その気持ちの先には、「人とつながりたい」という本質が込められていて、そういう人たちのために辞書を作るのだ、と松本が説明しています。
主人公の馬締はそれを聞いて、心を動かされたような表情を見せています。
こう聞いてみると、辞書「大渡海」への気持ちが、見ている視聴者もぐっと高まりますね。
まとめ
なかなか注目しない辞書作りですが、この映画を見ると、長い年月をかけて作られた辞書の見る目が変わります。
辞書が作られている間に、新しい言葉が次々と生まれ、それを辞書に載せるべきか取捨選択する姿や、新しい言葉に食いつくように聞き耳を立てたり、言葉ひとつひとつを大事に育てている感じがよかったです!
あらすじにも書いた「恋」という語釈を見て、思わずきゅんとした人も多いのでは?
大きなトラブルなどはないけれど、日本語の美しさを見にしみて感じる作品です。
大人はもちろん、辞書と触れ合う機会があり、たくさん言葉を吸収する世代のお子さんにも見てほしい作品です。
「舟を編む」
アニメを観て、映画も観て。作品の空気感が統一されていて、とても心地良かったです。仕事と恋慕のバランスが良く、だれかの人生を静かに語るような良作でした。さて次は、原作…💭 pic.twitter.com/s4Wi9IdHRF— 東堂 優 / Yu TODO (@todo_yu) July 12, 2020