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【すばらしき世界】タイトルに隠された理由と、三上の死因は?

【すばらしき世界】タイトルに隠された理由と、三上の死因は?国内ドラマ

公開されてから、満足度が高いと話題になり、高評価を続けている「すばらしき世界」

人を殺めてしまった元ヤクザの男性が、出所後真っ当な人間になろうとする生き様を描いた作品です。
染み渡るような優しさを与える周囲の人々や、まっすぐに生きようとする彼を見て、あなたはどう感じるでしょうか。
歴史に残るヤクザ映画の1本になり得るであろう作品に、注目です。

すばらしき世界
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「すばらしき世界」あらすじ


北海道の刑務所から出所してきた男・三上
元ヤクザとして何度も刑務所に入ってきたが、弁護士の先生が身元引受人になってくれる。
市役所で生活保護を申請しようとするが、反社の人はダメだと断られたり、身元が噂でバレて、万引きを疑われたりする。
嫌気がさしていた三上だったが、自分の母を探すため、テレビ局に情報を自ら送る。
それを受けて三上のことを撮ろうとするディレクター津乃田
しかし、三上とともに過ごすことで、津野田はネタにはできない彼の苦悩と愛らしい一面を知っていく。

「すばらしき世界」キャスト

今回は三上と津野田を演じた、おふたりをご紹介します。

三上 / 役所 広司

三上 / 役所 広司

役所 広司 / 1956年1月1日 / 長崎県出身

高校卒業後、上京し、区役所で働いていたが、舞台を見に行き、役者を志す。
舞台で活躍していたが、NHKの連続テレビ小説に出演後、時代劇「宮本武蔵」で主演に抜擢されると、次々と出演。
その後、「オーロラの下で」で日本アカデミー賞を受賞し、その後「Shall we ダンス?」で大ヒット。
今日まで数々の作品に出演し、人気俳優・日本を代表する俳優へと上り詰める。
代表作「Shall we ダンス?」「THE 有頂天ホテル」「三度目の殺人」

今作では不器用ながらも、人の愛を求め続ける芯のある男を演じた。
さすが役所広司と言わざるを得ない見事な演技だった。
役所広司じゃないと三上は演じきれなかっただろう。

津野田 / 仲野 太賀

津野田 : 仲野 太賀

仲野 太賀 / 1993年2月7日生まれ / 東京都出身

テレビドラマ「新宿の母物語」でデビュー。
俳優・中野英雄の次男であるが、オープンにはしていない。
2016年に「ゆとりですがなにか」で、ゆとりの社員を演じると話題となり、そこからドラマなどに多く出演を果たすようになる。
2020年には「あのコの夢を見たんです。」で初主演を果たす。
認知されるまでに時間がかかった役者だが、その分経験を積み、「いい作品に必ず太賀がいる」という声も多くみられる。

代表作「ゆとりですがなにか」「あのコの夢を見たんです。」「母さんがどんなに僕を嫌いでも」

今作では、撮ることへの不安と、自分の弱さを感じながらも、仕事のためではなく、生きる三上を優先しようとした愛らしいディレクターを演じた。
これもまた、さすがだった。

三上の死因は?

※ここからは、ネタバレを含みます。

ようやく介護施設での就職が決まった三上は、順調に働きます。
しかしある日、男性職員が知的障害のある職員・安倍に対し、暴行を加えるのを目撃してしまいます。
カッとなってモップ片手に向かおうとする三上でしたが、手を止め、見てみぬふりをして業務に戻るのです。
台風が近づくなか、その後も作業を外で続ける安倍を見て、室内で悪口をやめない職員たち。
そして仕事を終えて帰ろうとする三上を呼び止めたのは、安倍でした。
「台風が来る前に、コスモス刈ったの。持っていく?」

嵐の中帰る三上はコスモスを握り、急いで部屋に入り、洗濯物を取り込みます。
ですが、そこで三上は倒れてしまい、コスモスを握ったまま、亡くなってしまうのです。

三上は、モップで殴りかかろうとした時に、自分を支えてくれる人たちから「もし手を出しそうになったら、自分達を思い出して」と言われたのを思い出したのかもしれません。
常日頃から血圧が高いと言われており、彼らを思い出して、職場で我慢したことで、心筋梗塞や脳梗塞になったのではないでしょうか。

タイトルはなぜ「すばらしき世界」に?

身分帳 (講談社文庫)
映画監督西川美和が惚れ込んで映画化権を取得した、 『復讐するは我にあり』で知られる佐木隆三渾身の人間ドラマ! 映画『すばらしき世界』(2021年2月公開)原案。 復刊にあたって、西川美和監督が書き下ろした解説を収録。 人生の大半を獄中で過ごした前科10犯の男が、極寒の刑務所から満期で出所した。 身寄りのない無骨者が、人...

もともとこちらの作品は、原作に佐木隆三さんの「身分帳」があります。
それを読んだ西川美和監督が、映画化を果たされました。
そして当初は、原作通り「身分帳」というタイトルで公開予定だったそうです。
ですが、「もっと多くの人に興味をもってもらうタイトルに」ということで、「すばらしき世界」にされたそうです。

今回、映画を見ると最後にタイトルクレジットが、青い空にぽつりと浮かぶように演出されています。
これを見た方達のなかには、こんな考察がありました。
「すばらしき世界にしたのは皮肉なんじゃないのか。」

今まで頑固一徹の男・三上が弱いものいじめを見過ごしてしまうことは、正しいことだったのでしょうか。
三上が、自分の筋を通さない以上に、大切に思ってくれている人たちの気持ちを受け止め、心の中で折り合いをつける、という学びを得たのだとしたら、それはそれですばらしい世界だったのかもしれません。
そして何より、最後に安倍のまっすぐな心が現れるような笑顔を見れたことは、とても素敵な最後だったように思います。
また三上にとってだけでなく、彼を支え続けた周囲の人々。
裏切られるかもしれない、またヤクザの世界に足を踏み入れてしまうかもしれない、と不安も少なからずあったかと思います。
ですが付き合っていくうちに三上が、本当は優しくて、可愛らしい一面を持ち合わせていることを知るのです。
厚生しようとする三上を支え、そして彼がこのような最後を迎えることは、信じていた彼らの心が救われた瞬間でもあるのかもしれません。

「すばらしき世界」まとめ

2月に公開された作品ではありますが、映画を見終わった後の生活にまで、余韻が後引くような作品でした。
数日経っても、心のどこかに焦げ付きが残るような気持ちで、三上のみた世界は、本当にすばらしい世界だったのかと考える日々です。
2021年始まって3ヶ月しか経っていませんが、TOP3に食い込む良作で、大満足でした。
そして何よりも役所広司さんの演技力の高さと、周りを取り囲む俳優陣たちから溢れ出る三上への愛しさが伝わる演技に、胸が締め付けられるような作品となりました。

この記事を書いた人
めんま

映画と本と猫で構成されている人。
映画館で働いてたぐらい、映画が好き。

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