「天から落ちてきた天使」
視線のやり取り。肩に置く手。儚く過ぎる時間は繊細に過ぎる。年齢も立場も関係ない。これは禁断の愛なのか。愛の普遍性を描いたラブストーリー。
精神病と罵られ、娘と引き離されるキャロル。母親として、なにが正解なのか。自分の心に偽りなく生きる勇気に魅了されます。
2人の女性が紡ぎ出す物語。レトロなファッションはオシャレでかわいい。愛の残り火を灯す。それはまるで全てにおいて美しい作品。
今回の記事では、キャロルのあらすじから主演キャストの紹介、3つの見どころ紹介をしていきます。読み進めていただければ、キャロルの魅力をさらに知ることができ、新たな視点で本作を楽しむことができます。
たったひとつの愛のかたち。愛の残り火。
『キャロル』のあらすじ
「キャロル」は日本では2016年に公開されたドラマ映画です。本作は切なくて儚い、女性同士の美しい愛を描いています。
1950年代のニューヨーク。街はクリスマス目前で賑やかになっていました。
ある日、テレーズが働いているおもちゃ売り場に、ゴージャスな女性「キャロル」が来店します。それが2人の出会いでした。目と目が合い、まるで魂を奪われるようにお互い惹かれ合います。
買い物を終えたキャロルは手袋を忘れて帰っていきました。住所を調べて手袋を送り返すテレーズ。これをきっかけに2人は親密になり、次第に仲を深めていきます。
夫婦関係が冷めている、離婚協議中のキャロルは親権の問題で頭を悩ませていました。
リチャードとの結婚に踏み切れないテレーズは、本当の恋をしている実感がありませんでした。
「まるで天から降りてきたよう」
お互いが惹かれあい、車で旅に出るキャロルとテレーズ。楽しい時間になるはずでしたが、旅先で思いがけない展開に…。
うまくいかないプライベート。八つ当たり。心の距離を縮め、親密さを増す。それは濃密な関係。悩める2人の恋物語は、観ていて胸が締め付けられます。
『キャロル』のキャスト
「キャロル」のキャストを紹介します。主演として活躍しているのは、とても魅力的な2人です。
キャロル – ケイト・ブランシェット
ゴージャスで美しい悩める女性、キャロル・エアードを演じたのは「ケイト・ブランシェット」。
本名は、キャサリン・エリーズ・ブランシェット。
1969年5月14日生まれ。オーストラリア出身。1992年に舞台女優として活動を開始。1999年に「最も美しい50人」の1人にも選ばれた。
演技派・実力派として活躍している彼女。
「キャロル」以外にも数多くの作品に出演し、「ブルージャスミン」「アイム・ノット・ゼア」「アビエイター」などで数々の賞を受賞。
キャロルの役も見事にこなしていました。
テレーズ – ルーニー・マーラ
恋するヒロイン、テレーズ・ベリベットを演じたのは「ルーニー・マーラ」
姉のケイト・マーラも女優であり、映画『ジョーカー』の主演の「ホアキン・ニックス」の妻でもある。
1985年4月17日生まれ。アメリカ生まれ。
2005年にデビュー。2010年に「ソーシャル・ネットワーク」で主人公の恋人役を演じて一気に注目される。
翌年に「ドラゴンタトゥーの女」で主演を演じ、多くの賞を獲得。
今作でもいくつもの賞にノミネートされている演技派な女優。今後の彼女の活躍に目が離せません。
キャロル3つの見どころ紹介
見どころが沢山ある「キャロル」今回は3つ注目すべきポイントを挙げました。
ぜひ鑑賞する際の参考にしてみてください
タバコのシーン
今作はタバコを吸うシーンがとても多いです。
特にキャロル。彼女は事あるごとにタバコを吸います。
その姿はとても美しく、絵になります。
この作品では、タバコが出てくる場面が1つの見どころとなっています。
初めてテレーズと会った百貨店のおもちゃ売り場の中でも、タバコを吸おうとするキャロル。
そのシーンで吸うことにより、買い物に緊張していることを表現しています。
また、夫と喧嘩した時にはタバコが無くてイライラします。
「こんな時にタバコが無いなんて!」キャロルの怒りがさらに募ります。
キャロルとテレーズが初めて2人が食事する場面では、キャロルが勧めたタバコをテレーズが受け取り一緒に吸います。
しかし終盤で似た場面が訪れますが、その時のテレーズは断ります。
展開によって、タバコの扱い方が変わる今作。
意識して観ると、より一層「キャロル」を楽しむことができます。
視線のやりとり
主演の2人の視線のやり取りも1つの見どころとなっています。お互いがまっすぐ見つめ合うシーンを見てると気づいたらこちらまで画面に釘付けになってしまいます。
そして窓ガラス越しに外を見つめる場面も多く、まるで心情を映し出しているようで綺麗なシーンに惚れ惚れしてしまいます。
意思の強さを感じることができる眼差しは完璧な美しさです。意識すればさらに楽しめるので、ぜひ注目してお楽しみください。
ラストシーン
「キャロル」の考察を語る際に、ラストシーンについて議論される方が多いです。
これはお互いの関係が最後にどうなったのかをハッキリと示すことなく終わったからです。
人によって捉え方が変わるラストシーン。
キャロルからの同棲の誘いを断るテレーズ。
このままお互い別々の道に行くと思われたのですが、最後のシーンではキャロルの元に行って見つめ合い、物語はエンディングを迎えます。
「キャロルの元に行ったのだから、関係を続けると思う」「キャロルの最後の笑みは純粋に愛しあえると察した、喜びの笑み」
このように、ハッピーエンドだと感じた方が多い印象を受けました。
人によって感じ方が変わる、余韻が残る素晴らしいラストでした。
「キャロル」のまとめ
「キャロル」
主演の1人の名前をタイトルに使っている今作。
2人の主人公の美しいやり取りに見惚れてしまいます。
一見強い女性に見えるキャロルが、次第に弱い部分を見せていく姿。
テレーズは結婚どころか、ランチの注文すら決めれないほど優柔不断でしたが……。
お互いが確かに成長していく姿を見ているだけで感動を覚えます。
今回紹介した3つの見どころをぜひ意識してみてください。
さらに深く、彼女たちの物語を楽しむことができるはずです。