2022年1月21日に公開の『コーダ あいのうた』についての解説です。
本作は、サンダンス映画祭で4部門を受賞しました。
アカデミー賞の最有力候補と言われています。
2014年に公開の『エール』のリメイク版なのです。
そんな『コーダ あいのうた』のあらすじ、キャストをネタバレありで解説していきます。
『コーダ あいのうた』あらすじ
海の街で朝から両親と共に漁に出るルビー。
父親のフランク、母親のジャッキー、兄のレオは全員、耳が聞こえません。
そのため、家族で唯一の健常者であるルビーが乗船しないといけないのです。
ルビーは、耳が聞こえない家族の通訳のために魚を売る交渉もします。
新学期になり、ルビーは片思いをしているマイルズと同じ合唱部へ入部します。
ルビーの歌声を聞いた顧問のV先生は、ルビーのずば抜けた才能に気が付き、名門音楽大学への推薦を提案するのです。
マイルズとデュエットを組んで発表会へ参加することになります。
夜間と週末にマイルズの家やルビーに招いて本格的に歌のレッスンをすることになります。
一方、家業では漁業組合から常に連絡が取れる乗船者を義務付けられます。
起こったフランクは自分たちで組合を作ると言い出し、家業がさらに忙しくなります。
家業が忙しくなってしまい、合唱部の活動に支障が出てしまいます。
また、家族からは家業の方が大事だと諭されてしまうのです。
自分の夢を諦めたくないと思うルビーと通訳がいないと家業ができないと思う家族との板挟みになるルビー。
そんな中で、秋の発表会が始まります。
果たして、ルビーは自分の夢を叶えられるのでしょうか。
また、耳が聞こえない家族へルビーの歌は届くのでしょうか。
『コーダ あいのうた』の監督・キャスト
映画『コーダ あいのうた』の監督・キャストについてみていきましょう。
監督:シアン・ヘダー
監督はシアン・ヘダーが務めています。
2006年に公開の短編映画『Mother』で監督デビューをしました。
この映画でカンヌ映画祭でシネフォンダシヨン賞にノミネートされました。
その後、2016年に『タルーラ ~彼女たちの事情~』で長編作品の監督を務めました。
2000年に放送の『リトル・アメリカ』で脚本と1エピソードを監督しました。
ルビー役 エミリア・ジョーンズ
ルビーを演じるのは、女優のエミリア・ジョーンズです。
2011年に映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』で子役として芸能界入りをします。
その後、人気ドラマ『ドクター・フー』や『Q-ZONE 隔離地区』などに出演を果たしました。
最近では2020年に放送の『ロック&キー』でレギュラー出演を果たしています。
エミリアの父親でタレントで歌手のアレッド・ジョーンズです。歌唱力は折り紙付きですね!
フランク役 トロイ・コッツァー
フランクを演じるのは、俳優のトロイ・コッツァーです。
2001年に放送の『ダナ&ルー リッテンハウス女性クリニック』で俳優デビューをしました。
その後は、人気ドラマ『CSI:ニューヨーク3』や『クリミナル・マインド8 FBI行動分析課』などに出演を果たします。
最近では2018年に放送の『マンダロリアン』や2016年に公開の『Wild Prairie Rose』などに出演をしています。
レオ役 ダニエル・デュラント
レオを演じるのは、俳優のダニエル・デュラントです。
手話演劇団『デフ・ウェスト・シアター』に入団して俳優デビューを果たしました。
2008年に放送のシットコム『スイートライフオンデッキ』でテレビドラマデビューをしました。
代表作としては、2013年に放送の『スイッチ ~運命のいたずら~』や2019年に放送の『YOU ―君がすべて―』などを挙げられます。
ジャッキー役 マーリー・マトリン
ジャッキーを演じるのは、女優のマーリー・マトリンです。
7歳で舞台『オズの魔法使い』で子役デビューをしました。
その後、1986年に公開の『愛は静けさの中に』でスクリーンデビューをします。
この映画で史上最年少の21歳でアカデミー賞主演女優賞を受賞しました。
代表作としては、2000年に放送の『ザ・ホワイトハウス』や2011年に放送の『スイッチ 〜運命のいたずら〜』などを挙げることができます。
マイルズ役 フェルディア・ウォルシュ=ピーロ
マイルズを演じるのは、俳優のフェルディア・ウォルシュ=ピーロです。
2016年に公開の『シング・ストリート 未来へのうた』で俳優デビューをしました。
最近では、2017年から放送の『ヴァイキング ~海の覇者たち~』に出演をしています。
幼少期からモーツァルトのオペラ「魔笛」にプロキャストとして参加した実力者です。
『コーダ あいのうた』の注目ポイント
映画『コーダ あいのうた』の注目ポイントやネット上の評価についてみていきましょう。
フランス映画『エール』のリメイク版
本作は2014年にフランスで公開された『エール(原題:La famille Belier)』を基にしています。
リメイク版と聞くとスケールが小さくなってしまうイメージがありますが、本作は「バージョンアップ」させた作品と言えます。
『エール』では、家族での食事シーンでバックミュージックが流れますが、コーダではBGMが流れません。
リアリティのある食卓風景を描くこどで、実際のろう者の私生活を表現しています。
また、リメイク元である『エール』では家業が酪農でしたが、本作では漁業に変わっています。
漁業の方が本部と無線のやり取りをするために、必然的に通訳のルビーの存在が際立ちます。
そして、ルビーの音楽大学への進学と家族の通訳として生きることへの葛藤が注目されますね。
シアン・ヘダー監督『コーダ』へのこだわり
監督のシアン・ヘダーは、リアリティを求めた演出のために実際に聴覚に障害がある役者を起用しています。
アメリカ手話のASLの専門家を、アクション監督のようにASL監督として雇っています。
プロデューサーには断られたそうですが、「ろう者の役者を起用しないなら映画は作らない」と言ったそうですよ。凄いこだわりですよね。
※ろう者:聴覚障害者のこと
リメイク元の「エール」では、健常者の俳優がろう者の役を演じていますが、コーダでは豊かな演技が魅力です。
実際のろう者の役者のため、気持ちを相手に伝えようという気持ちが異なります。
喋り方や声質が違うように、ろう者の役者の個性がとても際立っています。
『コーダ』ラストの独唱に号泣(ネタバレ)
ルビーはこれまで家族の通訳として自分の言いたいことよりも家族の言葉を代弁して生きてきました。
そんな、ルビーが初めて自分の言いたいことや思いを歌にして歌い上げていくシーンでは心を打たれます。
ルビーとマイルズのデュエットで回りの観客が拍手喝采していますが、演出では無音のまま。
耳が聞こえない家族を表現していました。
フランクがルビーに「もう一度歌ってくれ」と言い、ルビーが歌っている喉を触り一生懸命に聞き取ろうしています。
翌朝になり、音楽大学へ面接に家族で向かい、2階席で見守る家族へ歌いながら手話で気持ちを伝えるシーンでは号泣必至ですよ。
歌は言葉だけではなく、気持ちで伝えるものだと感じさせてくれます。
映画『コーダ』の意味は、「CODA(Child Of Deaf Adults)」で「耳が不自由なろう者の親を持つ子ども」を意味します。
また音楽用語の「コーダ」は「楽曲やは楽章の終わり」や「曲中の大きな段落を締めくくる部分」を現しています。
劇中のラストで兄であるレオがどのようにこれから家族を支えていくのかを具体的に描いていません。
それは、家族の一つの物語が終わり、次の章へと入っていくという意味も含められています。
あえて物語の結末を描かないことで、ルビーがいなくなった後、家族がどうなったのかを観客に投げかけていると言えますね。
ネット上の評価
ネット上の評価についてみていきましょう。
#CODA コーダ あいのうた
CODAは「耳の聴こえない両親に育てられた子ども」で、その名の通りのストーリーかつフランス映画「エール!」のリメイク🇫🇷
ヒロイン以外は実際に聴覚にハンディのあるキャストを揃える徹底ぶり👂
語ることはない❗️自分は彼らの声に号泣した😭
2021年ベスト5は間違いなし🎬 pic.twitter.com/ckUgNbBHcC— 土鍋 (@mumu77893520) January 21, 2022
「コーダ あいのうた」
ちょっとビックリするシーンあるんですがあれは絶対映画館で体験した方がいい、あのシーンの後の娘と父親のシーンはもう号泣😭そして後半主人公のした行動で涙が溢れ出たよ😭
めちゃくちゃ良い映画に出会えて幸せ✨#コーダ胸熱 pic.twitter.com/b9wDKAHLsl— zero@映画とアニメと小説と (@zero31491505) January 23, 2022
「2021年のベスト作品」だと高評価を得ていました。
『コーダ あいのうた』まとめ
2022年1月21日に公開の『コーダ あいのうた』のあらすじ、キャストについて調査してみました。
本作は、2014年に公開の『エール』のリメイク版です。
サンダンス映画祭で4部門を受賞した話題作で、アカデミー賞の最有力作品として注目をされています。
監督のシアン・ヘダーはキャストにろう者の役者を起用しており、リメイク元の「エール」よりもリアリティを追及しています。
家族で唯一の健常者の少女が家族の夢か自分の夢をを選択する青春ドラマです。
ネット上では2021年ベスト作品だと高評価を得ていました。
ぜひ、音楽の素晴らしさ、家族の尊さを感じてみてはいかがでしょうか。